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■チーズは「食べるトランキライザー」 牛乳の栄養成分が凝縮されているチーズは良質のタンパク質が豊富で、ヨー ロッパでは「白い肉」と呼ばれている。ほかにもカルシウム、ビタミンA、B2、 Eなどが含まれており、非常に栄養価の高い「万能食」といえる。牛乳200gが およそ20gのチーズになるが、乳酸菌や酵素の働きで牛乳より消化・吸収しや すくなっている栄養効率のよい食品でもある。 ところで、「万能食」とはどういうことだろう。まずペプチドの非常にすぐ れた機能性があげられる。ペプチドとはアミノ酸の化合物で、チーズのなかで もカマンベールのようにカビ菌で熟成させたものに特に多く含まれる成分だ。 活性酸素を撃退する抗酸化作用のほかにもカルシウムの吸収促進、血圧降下作 用、免疫力向上、肝臓機能の強化作用がある。 また、ペプチドには気持ちを穏やかに保ったり安眠できるというリラックス作 用もある。さらに、チーズに含まれるラクトフェリンという糖タンパク質は生 体防御機能を高めて、さまざまなガン(大腸、舌、ぼうこう、食道、肺)を予 防する働きがあるのだ。 それだけではない。チーズはカルシウムの宝庫で、育ち盛りの子どもや骨が 弱くなりがちな中高年には手軽に摂れるありがたい食品だ。カルシウムはイラ イラや不安などを鎮め、精神を安定させる効果が大きいので「食べるトランキ ライザー(精神安定剤)」といわれるほどだ。ビタミンAは皮膚や粘膜を強化 するので、風邪の予防効果も期待できる。ビタミンB2には爪や髪を健やかにす る美容効果があり、まさに心にも体にもよい「万能食」だ。 そうはいっても、ビタミンCと食物繊維は含まないので野菜と組み合わせて 料理すると一層、健康効果が高まる。1951年にはひとり当たりのチーズ消費量 は10g弱と庶民には縁遠くて高価な食べ物だったが、いまでは国産のフレッシ ュタイプのチーズなど種類も豊富に出回り、お酒や料理に合わせて気軽に選べ るようになった。何よりも、一昔前と比較すると格段に味が良くなっているの がうれしい。最近増えている専門店では試食ができるので、食べ比べて好みの チーズを探しておけば食欲がないときの栄養補給に役立つだろう。 |
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