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■「春ニンジン」は葉まで食べよう 陽射しに明るさが増し、春の陽気が感じられるようになった。この時季なら ではの野菜の旨みが味わえるものといったら「春ニンジン」だろう。ほのかな 甘みがあって柔らかく、鮮やかな色は気分まで元気にしてくれる。春なら葉付 きが出回るので、浅緑の葉も滋養豊富な野菜として食卓を賑わせてくれる。 カラフル野菜の代表格・ニンジンは何といってもビタミンが豊富だ。β−カ ロテン(体内でビタミンAに変化)は野菜のなかでもトップクラスの含有量で、 この栄養素名の語源(英名のcarrot)となっているほどだ。50g(1/3本程度)でガ ンや動脈硬化を予防するビタミンAの1日の所要量が満たせるばかりでなく、 ビタミンC・B1・B2やミネラル分もたっぷりと摂取できる。 一方、葉の方はおひたしや胡麻和え、炒め物といろいろな料理に利用でき、 根以上に栄養豊富だ。ビタミンCは根の15倍、ビタミンB1は2倍、ビタミンB2 は13倍と「ビタミンの宝庫」というにふさわしい緑黄色野菜だ。セリ科の野菜 らしい独特の風味と冴えた緑がおいしい春の味覚といえる。 ところで最近、ニンジンは数多くの品種が出回るようになった。「金時」な どの赤(紅)色系、「金美」や沖縄の「島ニンジン」のような黄色系、「パース ニップ」という今年脚光を浴びている白色系、そして見慣れた橙色系など、ニ ンジンだけで彩りの良い一品が出来上がりそうな勢いだ。目新しい品種は色の 美しさだけでなく甘みや歯ごたえも上々なので、是非お試しいただきたい。 さて、季節が行きつ戻りつする春は、寒暖の差が激しく体調を崩しやすい時 期だ。みずみずしい春ニンジンは免疫力を高める働きがあるので、春の健康保 持にぴったりの食材といえる。そろそろ増えてくる紫外線対策にも有効なので 葉も根も丸ごと食べよう。 |
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