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■旬の青菜は葉緑素の貯蔵庫だ! 湯気の上がった土鍋にたっぷりと青菜が入っていると嬉しいものだ。冬場は ホウレン草やコマツナ、水菜などの葉物野菜が甘く美味しくなる時期で、霜に あたるほど葉の厚みが増してやわらかくなるという。真冬の凍てついた畑では どんな現象が起きているのだろうか? 美味しくなる理由をさがして、まずは葉に目を向けてみよう。真水は一般的 に零度で凍ってしまうので、気温が低くなるにつれて葉は凍らないように光合 成で内部に糖を蓄えていく。その過程で、短い日照時間を挽回すべく、葉を放 射状に大地に這うように伸ばしていく。 こうすれば、葉全体にまんべんなく太陽光があたるからだ。寒と戦いながら ゆっくりと育っていくことも味がよくなる理由だ。たとえばホウレン草は、地 域差はあるが夏場なら50日程度で出荷期を迎えるが、冬には100日程度と倍近 くかかる。その結果、葉は土の微量栄養素を長く吸収できるので旨みが増し、 やわらかく厚みが出るというわけだ。 しかし、冬の葉物のよさは味だけではない。夏採りよりビタミンやミネラル が豊富になるので、栄養価は冬場が最高になる。とくに葉物は旬とそうでない 時期の栄養差が大きい野菜で、冬採りホウレン草ならビタミンCが夏の3倍に なる。また、厚みが出た葉には葉緑素がたっぷりと詰まっている。冬は体を暖め る脂肪分の多い食事や酒を飲む機会が増えるためにドロドロ血液になりやすい が、葉緑素には速効性の浄血作用があるので葉物をたっぷりと食べればサラサ ラ血液に戻す効果が期待できる。葉緑素には二日酔いや悪酔いを防止する働き もあるので、酒の席では青菜を肴にしたいものだ。 昔から「寒を食って旨くなる」といわれている冬が旬の葉物野菜。寒さ真っ 盛りの今、鍋物や炒め物、おひたしでたっぷりと食べれば風邪の撃退にも効果 がある。ただし、加熱しすぎないように、歯ごたえを楽しむくらいの気持ちで 料理しよう。旬を食べるのは自然の法則にのっとった簡単で手軽な健康法だ。 2月は冬の葉物をたっぷりと摂って体調を整え、元気に春を迎えよう! |
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