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■夏の動脈硬化予防には枝豆だ! 茹で上がった枝豆をすぐさま、うちわで扇いで冷ますと緑がぐっと冴えてく る。夏の夕方、ビールを飲みながらこの枝豆をつまむと疲れも吹き飛ぶという ものだ。大豆の未熟豆・枝豆はビタミンB1が豊富で、夏バテによる疲労や食 欲不振の回復効果がある。暑さが本格化する今の時季には最適な野菜といえる。 大豆といえば「畑の肉」といわれるほどたんぱく質が豊富だが、枝豆にも100g あたり11.7gと和牛サーロインと同量が含まれている。たんぱく質が分解され るとペプチドになるが、この成分には抗酸化作用や血圧上昇を抑える働きがあ ることが確認されている。おまけに他の食品のたんぱく質に比べて、肥満防止 効果があるというのから魅力的だ。 また、枝豆に含まれるサポニンには、血栓(血の塊)を作って動脈硬化を進行 させる過酸化物質の生成を抑制する優れた働きがある。夏は汗をかいて体内の 水分が失われ、血栓ができやすくなるので動脈硬化が増える季節だ。水分補給 だけでなく、枝豆を食べてさらさら血液にして動脈硬化を予防しよう。さらに サポニンには、がん細胞の増殖を抑制する頼もしい機能もある。 「最近、記憶力の衰えが気になる」という人にも枝豆はおすすめだ。脳の老化 防止効果で注目されているレシチンが豊富で、記憶力や学習能力もアップさせ るそうだ。ほかにもビタミンAやC、カルシウム、リン(不足すると神経過敏に なったり、免疫力が低下する)も多いので、食欲が落ちる夏場の格好の滋養源と なる。 ところで、数年前から山形や新潟、福島などで取れた茶豆や黒豆の枝豆の人 気が上がってきた。これらは豆を包んでいる薄皮の色が茶色や黒いものだ。普 通の枝豆に比べてうまみ成分のグルタミン酸が1.5倍以上含まれるだけあって、 豆のコクが強く感じられる。 莢だけ見ると大きさや色が見劣りするので購入に二の足を踏む人もいるよう だが、是非ともお試しを。歯ごたえが残る程度にゆでると、噛んだ瞬間に甘み と旨みが弾ける。 さて、夏の盛りの枝豆は風味が良く、値段も落ち着くので思う存分味わって いただきたいものだ。ゆでるだけでなく炒めても良し、煮物に加えてもよしと 大活躍の野菜だ。何より、エメラルド色が夏の食卓に涼を添えてくれる。 |
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