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■海藻の「ぬめり」で梅雨時の胃を守ろう! 海に囲まれた日本では太古の昔から海藻類を食べていた。たとえば『万葉集』 にはワカメ、コンブ、アラメが「め」という名で登場し、日本初の律令制度「大 宝律令」には租税として「ニギメ(ワカメ)」と「マナカシ(メカブ)」があげられ ている。神事に海藻を用いることも多いし、どうやら日本人とは切り離せない 大切な食品のようだ。 海藻類の特長は何といっても表面にある「ぬめり」だろう。これは粘質多糖 類という水溶性食物繊維の一種だ。このぬめりの主成分はフコイダン。胃潰瘍 の原因となるピロリ菌が胃壁に付くのを防いだり、胃がんの細胞が増えるのを 抑える「胃の救世主」ともいえそうな働きをする成分だ。さらにフコイダンに は抗菌作用もあり、大腸菌の毒素排出を阻止するので食中毒予防に力を発揮す る。もうすぐやってくる梅雨時にはとくにたくさん取りたい食品だ。 また、ぬめりに含まれるアルギン酸はナトリウムを排出して高血圧を予防し たり、血液中の悪玉コレステロールを吸着する効果もある。海藻にはビタミン A・B1・B2・Cやミネラル(特にカルシウム)が豊富なので、食事が偏りがち な人におすすめしたい手軽な食材だ。カロリーがほとんどないので、体重を落 としたい人にも、ぜひともおすすめしたい。 種類によって食感や風味が違うし意外に料理法も多いので、上手に組み合わ せて毎日採りたい食品だ。それでは最後に、海藻ごとの特色を紹介しよう。 ● コンブ−新陳代謝を活発にするヨウ素が多く、旨み成分のアミノ酸含有量は 収穫期の7月が最高に。だしを取った後のコンブにも栄養はいっぱいなので、 サラダや炒り煮にしよう。手軽に摂るならトロロコンブや佃煮はいかが。 ● ワカメ−アルギン酸含有量の割合が海藻の中で最も高く、悪玉コレステロー ル値を下げるのに効果的。カルシウムも多く、骨粗しょう症予防によい。肉 や野菜と炒めると美味で、油と相性のよいヨウ素の吸収も高まる。 ● メカブ−ワカメの根元で、ワカメの3倍もフコイダンが多い。肝臓の細胞を 強化し、血液をサラサラにする。また、腸の動きを活発にして便秘も予防す るなど健康効果が大きく人気急上昇中。さっと湯通しして褐色から翡翠色に 変化したら、酢の物や和え物でコリコリの食感を楽しもう。 |
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