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111海藻の「ぬめり」で梅雨時の胃を守ろう!
112はちみつで腸内のビフィズス菌を増やそう!
113新鮮キュウリで暑気あたり撃退だ!
114梅雨時は「夏型過敏性肺炎」にご用心!
115夏の元気と美容は桃がサポート!
116夏の動脈硬化予防には枝豆だ!
117夏の下痢予防の極意は「細菌を付けず、
                                     増やさず、退治する」



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夏の元気と美容は桃がサポート!
 幼児のほっぺのように、赤みを帯びてふっくら太った桃の季節がもうすぐや
ってくる。最近は5月中旬から店頭に並んでいるが、やはり梅雨明け後の7月
半ば過ぎから8月が桃の最もおいしい時期だ。熟したものの皮を指でつるりと
むいてかぶりつくと、濃厚な甘みの果汁が口いっぱいにあふれてくる。夏の陽
射しの中でのどを潤すにはぴったりの果物だろう。

 桃はビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で夏の健康管理に大いに役立つ果
物だ。とくに皮膚の新陳代謝を活発にするビタミンEが多く、夏の紫外線でで
きやすいシミやそばかすを防ぐ働きが期待できる。また、夏は冷房による体の
冷えが気になるが、冷え性の改善にも効果的だ。

 さらに糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果がある。桃1個で
ビタミンEの1日あたり栄養所要量の4分の1弱が摂取できるのだから、たか
が果物などと侮れない。

 ところで、桃は甘みが強いのでカロリーが高いように思えるが、100gあたり
のカロリーはゴボウやメキャベツ、カボチャ以下なので太ることを気にしない
で食べていただきたい。低カロリーという以上に、桃には糖や脂肪の代謝を活
発にする成分が含まれているので、肥満予防や糖尿病予防に効果がありそうだ。

 鉄の吸収を助ける銅も豊富で、貧血予防や骨を強化する働きもある。食物繊
維・ペクチンも多く、コレステロール値を正常に保ったり腸の働きを活発にす
る作用もある。

 桃の高い機能性を意外に思われたかもしれないが、中国では「果物の王様
」とされて漢方でも盛んに用いられているほどの実力派。価格も落ち着く旬の
時期にはたっぷりといただきたいが、日持ちがしないので食べる分ずつ買おう。

 冷やすのは2時間程度で大丈夫。中元などでたくさん届いたときは、少しぬ
らしたペーパータオルで1つずつ包んで、ほかのものとぶつからないように冷
蔵庫の野菜室の「特等席」で保管する。食べるときには室温で少し温度を上げ
てから。

 さて、弥生時代以前に中国から伝来してまずは花の観賞用に、平安末期には
実が食用になり、明治以降は品種改良を重ねて日本独特のおいしい白い果肉の
桃(「白桃」「白鳳」「あかつき」などの品種)が作られるようになった。
そして現在、山梨や長野の桃は台湾や香港、中国に輸出されて人気を集めている。
日本産ならではの味のよさが、桃の故郷でも認められたようだ。