|
||
|
BACK目次 NEXT 目次 |
|
■はちみつで腸内のビフィズス菌を増やそう! ミツバチがせっせと集めてくる「はちみつ」は、採取した花の種類によって 世界中に1000種もあるといわれている。色や香り、甘味や酸味も花によって違 いはあるが、共通しているのは吸収されやすくてすぐにエネルギーになり、消 化するときにも胃腸に負担をかけないという点。古代エジプトでは王族の「不 老不死の秘薬」とされたハチミツにはどんな力が秘められているのだろう。 人類が初めて口にしたとされる甘味料のハチミツは、上白糖と比較するとカ ロリーは75%ほどだが糖度は約1.3倍あり、まろやかな甘味が特長だ。だから といって、はちみつを単なる嗜好品と考えてはいけない。フラボノイド色素の 抗酸化作用で、体を老化させる活性酸素を退治してがん予防にも効果がある「ク スリになる糖分」なのだ。 ビタミンB群やC、ナイアシン、鉄、亜鉛、カルシウムなどもバランスよく 含まれているが、このところ注目されているのはアミノ酸の一種のグルコン酸 とプロリンだ。 はちみつに微量に含まれるグルコン酸は有機酸のなかで唯一、腸内のビフィ ズス菌を増やす優れた整腸作用がある成分だ。さらに食中毒菌のO-157を退治 するほどの強い殺菌パワーがあるので、気温も湿度も高くなるこれからの時期 には調味料として料理に加えると腐敗防止になる。 とくに弁当のおかずを作るときには、忘れず砂糖がわりに加えたい(弁当は よく冷ましてから包もう)。また、保存性もアップするので常備菜の調味料に もぴったり。 プロリンもまた頼もしい働きをする成分だ。表皮細胞の増殖やコラーゲンの 再生を促進する美肌効果があるので、紫外線が強くなる夏場にたっぷりと補い たい成分だ。グルコン酸とプロリンは共にカルシウムや鉄分を吸収しやすくし てくれるのでヨーグルト、ゴマ、牛乳、ほうれん草、海藻などと一緒にとると 吸収率が高まる。ただし、はちみつにはごく稀にボツリヌス菌が入っているこ とがあるので、1歳未満の乳幼児には与えないようにしよう。 いま、日本は採蜜の時季で、養蜂家は南から北に移動しながら果樹園や里山 に巣箱を設置していく。巣箱からは黄金色の蜜が滴り落ちるほどたっぷり取れ るが、働きバチ1匹が一生(開花時は寿命が1ヵ月程)に集める量はティース プーン半分ほどでしかないのだ。滋養に満ちた1さじを大切にいただこう。 |
||