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111海藻の「ぬめり」で梅雨時の胃を守ろう!
112はちみつで腸内のビフィズス菌を増やそう!
113新鮮キュウリで暑気あたり撃退だ!
114梅雨時は「夏型過敏性肺炎」にご用心!
115夏の元気と美容は桃がサポート!
116夏の動脈硬化予防には枝豆だ!
117夏の下痢予防の極意は「細菌を付けず、
                                     増やさず、退治する」



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はちみつで腸内のビフィズス菌を増やそう!
 ミツバチがせっせと集めてくる「はちみつ」は、採取した花の種類によって
世界中に1000種もあるといわれている。色や香り、甘味や酸味も花によって違
いはあるが、共通しているのは吸収されやすくてすぐにエネルギーになり、消
化するときにも胃腸に負担をかけないという点。古代エジプトでは王族の「不
老不死の秘薬」とされたハチミツにはどんな力が秘められているのだろう。

 人類が初めて口にしたとされる甘味料のハチミツは、上白糖と比較するとカ
ロリーは75%ほどだが糖度は約1.3倍あり、まろやかな甘味が特長だ。だから
といって、はちみつを単なる嗜好品と考えてはいけない。フラボノイド色素の
抗酸化作用で、体を老化させる活性酸素を退治してがん予防にも効果がある「ク
スリになる糖分」なのだ。

 ビタミンB群やC、ナイアシン、鉄、亜鉛、カルシウムなどもバランスよく
含まれているが、このところ注目されているのはアミノ酸の一種のグルコン酸
とプロリンだ。

 はちみつに微量に含まれるグルコン酸は有機酸のなかで唯一、腸内のビフィ
ズス菌を増やす優れた整腸作用がある成分だ。さらに食中毒菌のO-157を退治
するほどの強い殺菌パワーがあるので、気温も湿度も高くなるこれからの時期
には調味料として料理に加えると腐敗防止になる。

 とくに弁当のおかずを作るときには、忘れず砂糖がわりに加えたい(弁当は
よく冷ましてから包もう)。また、保存性もアップするので常備菜の調味料に
もぴったり。

 プロリンもまた頼もしい働きをする成分だ。表皮細胞の増殖やコラーゲンの
再生を促進する美肌効果があるので、紫外線が強くなる夏場にたっぷりと補い
たい成分だ。グルコン酸とプロリンは共にカルシウムや鉄分を吸収しやすくし
てくれるのでヨーグルト、ゴマ、牛乳、ほうれん草、海藻などと一緒にとると
吸収率が高まる。ただし、はちみつにはごく稀にボツリヌス菌が入っているこ
とがあるので、1歳未満の乳幼児には与えないようにしよう。

 いま、日本は採蜜の時季で、養蜂家は南から北に移動しながら果樹園や里山
に巣箱を設置していく。巣箱からは黄金色の蜜が滴り落ちるほどたっぷり取れ
るが、働きバチ1匹が一生(開花時は寿命が1ヵ月程)に集める量はティース
プーン半分ほどでしかないのだ。滋養に満ちた1さじを大切にいただこう。