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■梅雨時は「夏型過敏性肺炎」にご用心! 北海道を除く日本列島は梅雨に突入し、じめじめとした日が続いている。部 屋は洗濯物が下がり満艦飾、というお宅も多いのでは。仕方がないこととはい え、部屋干しは室内の湿度を上げてカビを繁殖させる一因にもなる。梅雨時の カビはアレルギー性肺炎の一種「夏型過敏性肺炎」の原因にもなる手ごわいヤ ツだ。東北以南で6月から9月に発症するこの病気はどんな症状が出るのだろ うか。 まず乾いた感じの咳が出はじめ、微熱、食欲不振、倦怠感と夏風邪や夏バテ と勘違いしてしまいそうな症状が続くのだ。そして、なんとなく息苦しく、階 段の上り下りなどちょっと動くだけで息切れしてしまう。 こんな症状が夏の間は続くが、秋になるとパタリと治まってしまう。そして 翌年の梅雨時になると、同じような咳や微熱、息切れが始まるという症状に思 い当たれば夏型過敏性肺炎の可能性がある。 この病気の特徴は、自宅にいると症状が出続けるが、旅行や出張で家を離れ ると改善することにある。また、仕事が休みで家にいる週末や休暇中に症状が 出ることもある。その理由は、病気の原因が「トリコスポロン」という家屋内 に発生するカビの胞子(夏の間のみ飛散)だから。この胞子を吸い続けると、 肺がアレルギー反応を起こしてしまうのだ。 カビは浴室や台所、北向きの部屋に発生しやすいので、部屋の換気をよくし、 水周りは乾いた布巾でよく拭き取っておくなど湿気を出さない工夫が必要だ。 発生してしまったカビは専用剤や重曹で取って、エタノールなどで消毒してお こう。 また、洗濯槽の掃除も忘れずに。洗濯機は使用していないときに蓋を開けて おくとよいだろう(乳幼児がいる場合は必ず閉めること)。エアコンの使い始 めにはパネルカバーを外して掃除をすることも大切だ。性能のよい除湿機があ ると部屋の湿度はかなり下げられる(購入する場合には運転音に注意)。 夏型過敏性肺炎を夏かぜと決め込んで何年も放置しておくと、慢性化して肺 が硬く縮んで呼吸ができなくなり、命にかかわることもある。思い当たる人は 受診してみよう。 とにかく、予防は最大の防御なり。梅雨の晴れ間には窓を開けて風を通し、 念入りに掃除をしよう。タンスの後ろや押し入れの奥などカビが好みそうな場 所を点検して、カビ退治をすることが大切だ。 |
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