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■味覚老化は「うまみ」でストップ! 年齢を重ねると味覚が衰えていく場合があり、とくに塩味と甘味が感じにく くなるという。しかし、いま若い人にもこの味覚老化が起きており、塩分過多 の食生活を招く要因となっている。味覚は素材の味やダシで学習するものでも あるので、健康な生活を長く送るためには味覚を鍛える必要がありそうだ。 若いうちは味を感じる味蕾(みらい)が約30日で再生されるが、45歳を過ぎる と再生テンポが鈍り始めるのだ。そのため、味覚が衰えて塩分の摂り過ぎに気 がつかずに生活習慣病になってしまうケースも少なからずあるという。 この味覚老化の悪循環にストップをかけるには、料理に旨みを効かせる方法 が有効だ。昆布やかつお節、煮干し、干ししいたけなどでとったダシはやわら かな旨みが出るだけでなく、野菜や魚などの素材の味や香りを不思議と引き立 てる。 料理にダシの風味と素材の持ち味が加われば、物足りなさでつい足してしま う塩や醤油が減らせるだろう。濃い味は舌の感覚を鈍らせるので要注意だ。 おまけに、だしや材料の微妙な味わいは旨みに敏感な舌を育てる「味覚の学 習」の最良の教材になる。やはり、家庭料理にはダシを生かした和食を並べた い。和食には煮物や吸い物など素材が一目で分かる利点もある。働き盛りから 自分の食べているものの素材ごとの味に敏感になっていけば、加齢による味覚 老化の「見えないワナ」にはまる危険性も減る。 また、ニガリを料理の隠し味に使うと味に深みが出るので、ぜひ、お試しい ただきたい。ニガリには味覚障害を改善する微量元素の亜鉛などのミネラルも 豊富に含まれている。料理に少量加えてから味付けをすると塩分過多の心配も 無用だ。食事に亜鉛豊富な牡蠣、豚レバー、ホタテ、青背の魚、子持ちシシャ モなどを加えることもお忘れなく。 |
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