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■ニラは「食べる薬」だ! 4月上旬から軟らかい夏ニラが出回りだした。ニラには独特の臭いがあるの で朝や昼は敬遠されがちな野菜だが、「若葉冷え」で体調を崩しやすいこの時 期の健康管理に役立つ手軽で頼もしい食材といえる。 さて、ニラはβ−カロテンやビタミンB、Cが豊富で、カルシウムや鉄、塩 分排出効果のあるカリウムも多い野菜の優等生だ。中国では紀元前から栽培さ れて葉も花も食べていた馴染み深い野菜のようだが、現代中薬学(中国医学で 治療を目的に処方される植物などの薬効を研究する学問)ではニラに3つの薬 効を認めている。まずは「血液をサラサラにして血行をよくする働き」、2つ 目は「強精強壮作用」、3つ目は「胃腸の調子をよくする働き」だ。 まさに「食べる薬」といえそうなニラだが、やはり注目すべきは硫化アリル の働きだろう。これは揮発性の辛み成分で、好きな人にはたまらないあのニオ イのもとだ。自律神経を刺激して食欲を増進させる効果や抗菌・殺菌作用、体 を暖める効果などがある。催眠作用もあるので風邪をひいた時には欠かせない 野菜といえる。また、血栓を予防するだけでなく弾力のある血管も作るので、 動脈硬化や高血圧が心配な人にはとくにおすすめしたい。 ところで、ニラは強い植物でひとつの株から何回も収穫できるが、何度も摘 み取った株から育った葉は先端が茶色に枯れてくる。価格が1〜2割、安くは なるが、こうなると硬い筋が残って歯に繊維が挟まったりする。中華粥や餃子 の具などに細かく刻んで入れる時には問題はないが、ヌタや卵とじなどには葉 先まで緑でピンととがった「新株育ち」を選ぶとよいだろう。 |
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