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●豆知識<健康> ・ 紀元前からあった 「にんにく健康法」
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■ 海苔にも旬がある 朝食の定番の海苔は1年を通して出回っているが、収穫期は11月から翌年3 月ごろまで。ということは、もうすぐ採れたての海苔が店頭に並ぶということ だ。やわらかさと香りの良さは、やはり初摘みが一番だろう。さっとあぶった 新海苔は、口の中でパリパリとはじけるように切れる音までがおいしい。今回 は旬を迎えた海苔に関する情報をお届けしたい。 海苔と日本人の付き合いは長い。大宝律令(701年)には大和朝廷への租税 として海苔が登場している。公家や貴族だけのごちそうだったものが、庶民も 食べられる乾物となったのは江戸時代中期から。東京湾で「天然採苗の養殖」 が始まって価格が下がってからだ。それまでの海苔は天日で干しただけのもの だったが、板海苔が登場して江戸庶民のファストフード・海苔巻きとして食べ られるようになった。戦後、養殖技術が進歩して「人工採苗の養殖」が始まる と生産量は飛躍的に増加して、現在は約110億枚の海苔が生産されているそう だ。私たちが食べている海苔の99%は「スサビノリ」という栽培品種だ。 さて、海苔はビタミン、ミネラル、鉄分、カルシウムなどがバランス良く含 まれており、生活習慣病を予防する健康食品だが、カロリーが低いうえに約 30%は食物繊維なので美容にも効果的だ。また、12種類ものビタミンが豊富に 含まれた「海の野菜」なので、野菜が不足している人や苦手な人にはとくにお すすめしたい。海苔は1日2枚ほどを目安にどうぞ。新海苔は、手巻き寿司に したりわさび醤油をさっとつけるだけで歯ざわりと磯の香り、ほんのりとした 甘みを楽しもう。 ところで最近、沿岸漁業者たちが山に植林をする取り組みが各地で始まって いる。海に流れ込む川の上流に落葉広葉樹を中心に植林して、森を育むことで 豊かだった漁場を取り戻すことが狙いだ。海苔は山から流れ出す栄養たっぷり の水がその品質を左右する。今のままの沿岸環境では、わずかに残っている野 生種の「アサクサノリ」が数年後には絶滅するかもしれないとまでいわれてい る。海の力を取り戻して、よりおいしい海苔が育つよう期待したいものだ。
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