豆知識<健康>

紀元前からあった 
   「にんにく健康法」

秋を告げる梨

秋カブは根から葉まで

脳梗塞の前触れを見逃すな!

秋から冬の「肌荒れ・か
  ゆみ」対策

 
海苔にも旬がある

五十肩は軽い運動で解消

冬の不眠症

小正月は小豆(あずき)で
   邪気払い

スプラウトはミネラルの宝庫

慢性頭痛の対処法

尿で健康チェック


     戻る  次へ

             

 

   海苔にも旬がある
 
 朝食の定番の海苔は1年を通して出回っているが、収穫期は11月から翌年3
月ごろまで。ということは、もうすぐ採れたての海苔が店頭に並ぶということ
だ。やわらかさと香りの良さは、やはり初摘みが一番だろう。さっとあぶった
新海苔は、口の中でパリパリとはじけるように切れる音までがおいしい。今回
は旬を迎えた海苔に関する情報をお届けしたい。

 海苔と日本人の付き合いは長い。大宝律令(701年)には大和朝廷への租税
として海苔が登場している。公家や貴族だけのごちそうだったものが、庶民も
食べられる乾物となったのは江戸時代中期から。東京湾で「天然採苗の養殖」
が始まって価格が下がってからだ。それまでの海苔は天日で干しただけのもの
だったが、板海苔が登場して江戸庶民のファストフード・海苔巻きとして食べ
られるようになった。戦後、養殖技術が進歩して「人工採苗の養殖」が始まる
と生産量は飛躍的に増加して、現在は約110億枚の海苔が生産されているそう
だ。私たちが食べている海苔の99%は「スサビノリ」という栽培品種だ。

 さて、海苔はビタミン、ミネラル、鉄分、カルシウムなどがバランス良く含
まれており、生活習慣病を予防する健康食品だが、カロリーが低いうえに約
30%は食物繊維なので美容にも効果的だ。また、12種類ものビタミンが豊富に
含まれた「海の野菜」なので、野菜が不足している人や苦手な人にはとくにお
すすめしたい。海苔は1日2枚ほどを目安にどうぞ。新海苔は、手巻き寿司に
したりわさび醤油をさっとつけるだけで歯ざわりと磯の香り、ほんのりとした
甘みを楽しもう。

 ところで最近、沿岸漁業者たちが山に植林をする取り組みが各地で始まって
いる。海に流れ込む川の上流に落葉広葉樹を中心に植林して、森を育むことで
豊かだった漁場を取り戻すことが狙いだ。海苔は山から流れ出す栄養たっぷり
の水がその品質を左右する。今のままの沿岸環境では、わずかに残っている野
生種の「アサクサノリ」が数年後には絶滅するかもしれないとまでいわれてい
る。海の力を取り戻して、よりおいしい海苔が育つよう期待したいものだ。