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■成人の失明原因トップは「糖尿性網膜症」 ★自覚症状がないまま進行する糖尿病の合併症である「網膜症」。この合併症 で毎年3000人も失明しており、成人の失明原因1位は何と「糖尿性網膜症」だ 糖尿病が原因で大切な目までがやられてしまうとは。発見が遅れて手遅れに ならないためには、予備知識をもつことが大切だろう。 糖尿性網膜症は糖尿病を発症してから7〜8年で発症しやすくなる。一般的 には約10年で半数程度が網膜症を合併するといわれている(血糖値のコントロ ールがうまくいかないと進行を早めることもある)。目の奥にある網膜の毛細 血管が糖分を多く含む血液で詰まったり傷ついたりして、栄養や酸素を供給で きなくなるために眼底出血や網膜はく離などの症状が出る網膜症になる。 厄介なことに、初期の段階ではほとんど自覚症状がない。気がつくのは視力 の低下や眼底出血という症状が出る、失明に至る危険性もある「増殖網膜症」 の段階になってからだ。ここまで進行すると外科的な治療に頼るしかなくなる しいまの医学では完全な視力の回復は難しいようだ。 だが、この病気は初期の段階なら血糖値のコントロール次第で進行を抑える ことが可能だし、内服薬での治療法もある。糖尿病になったら、内科だけの検 査を受けていても安心できないということを覚えておこう。とくに糖尿病患者 の9割にあたるインスリン非依存型糖尿病(U型糖尿病)の場合は、発症時期が はっきりしないので注意が必要だ。 そのほかにも、糖尿病に関わる目の病気は白内障、眼筋麻痺、緑内障などが ある。糖尿病になったら血糖コントロールと内科の検査が基本だが、定期的な 眼科での検査も不可欠だ。網膜症は必ず失明するのではなく、早期発見さえす れば治療の方法はたくさんある病気なのだから。 |
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