|
BACK目次 NEXT目次 |
|
■中高年の男性は「腎細胞がん」にご注意! ★50歳から60歳代の男性に多いのが腎臓にできる「腎細胞がん(腎がん)」だ。 この病気は、手術後も転移することがあるので油断できない。腎がんの危険因 子や、早期発見に役立つ情報などをお伝えしよう。 一般に、腎がんが10cm以上になると血尿、腹部のしこり、疼痛といった症状 が現われる。もっと症状が進むと発熱や体重の減少が現われる。しかし、最近 は5cm以下で症状が出ないうちに見つかる場合が多くなっている。超音波検査 やCT検査などの健康診断で見つかる場合が多く、腎がんの約半数はたまたま他 の病気の検査をして見つかったケースだという。 やはり、総合的な健康診断や人間ドックを年に1度は受けることが早期発見 につながる。 腎臓は胃や肝臓の後ろにある左右1対の臓器だ。大きさは大人のこぶし程度 で、血液をろ過して尿(血液中の老廃物や余分な水分)を作る大切な働きがある。 それなのに、腎がんの原因はまだほとんどわかっていない。ただ、人工透析を 受けた人、家族性(VHL遺伝子の変異)のものがあることだけはわかっている。 その反面、危険因子は非常にはっきりしている。喫煙、脂肪摂取量の多さが あげられるので、禁煙や日本型食生活を続けることが大切になる。 治療法はいまのところ、手術で腎臓の全摘出や腎臓を部分的に切除するのが 一般的だ。ところが、腎がんの特徴は数年後に肺や肝臓、骨、リンパ節に転移 することにある。一般にがんは、治療開始から平均して5年間再発がなければ 多くの場合は治癒ということになるが、腎がんは5年以上たっていても転移が みられるので油断ならない。 逆に、肺や骨で腫瘍が見つかって原因を探っていくと、腎がんからの転移だ ったというケースも少なくない。厄介なことに、肺に転移しても自覚症状がな いので、とにかく検査は怠らないようにしたい。 いずれにしても、早期発見すればするほど治癒率は高い。逆に、発熱や体重 減という全身症状が現われてしまうと進行は早いようだ。年に1回の健康診断 や人間ドックを欠かさず受ければ、自分の体の変化に敏感になるという効果も 期待できる。体からの危険信号を敏感にキャッチできるようになりたいものだ。 |
||