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■すい臓は消化液とホルモンの製造工場 長さ15cm、重さ70gほどと小さいが力持ちの臓器・すい臓。形は勾玉に似てお り、袋状ではなく肝臓のように細胞が密に集まった組織だ。胃の後ろに隠れて いるために病気発見されにくく、その働きもあまり知られていない。今回は「国 民病」といわれる糖尿病の発症と深い関係にあるすい臓の働きやいたわり方を紹 介したい。 すい臓の主な仕事は2つある。1つ目は強力な消化液であるすい液の分泌だ。 アミラーゼやリパーゼなどの強力な消化酵素が含まれるすい液を1日に 1000mlも十二指腸に分泌している。 2つ目は血糖をコントロールするホルモンの分泌だ。摂取した炭水化物や糖 質をブドウ糖に分解して、それをエネルギーにしたり、あまったブドウ糖を蓄 えたりするときに必要なホルモンを分泌する。このホルモンが、血液中の糖分 バランスをとって一定値に保つインスリン(血糖値を下げる働き)やグルカゴン (血糖値を上げる働き)などだ。 つまり、インスリンの分泌量が減少したり、インスリンの働きが低下するな どして血液中のブドウ糖がだぶついて血糖値が高くなる糖尿病と深い関係にあ る臓器なのだ。ところが近年、七転八倒するほどの猛烈な腹痛を伴う急性すい 炎になる人が年間2万人もいるという。原因の一つは、脂肪分の多い食事や酒 の飲みすぎだといわれている。 慢性すい炎も増加傾向にあり、脅かすわけではないが毎日3合程度の日本酒 を10年間飲み続けると慢性すい炎になるといわれている。慢性すい炎は、みぞ おちとへその中間部分の背中寄りがジクジクと絶えず痛むという苦痛の大きな 病気だ。やはり日ごろから節酒を心がけたいものだ。 すい臓が弱っていると消化力が衰えるので、思い当たる人は煮物にした野菜 や海藻を良くかんで食べるよう心がけよう。特に血糖値の高めな人は、こって りとした脂っこい食事やつまみなどを極力減らし、すい臓をいたわる食生活を 送ることが大切だろう(少量なら大丈夫)。 |
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