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■砂糖との上手な付き合い方 いつの頃からか、ダイエットの仇敵として悪役に祭り上げられてしまった砂 糖。確かに摂り過ぎは肥満や成人病の原因になるが、それはあくまでも量の問 題だろう。適量を摂取すれば、砂糖は私たちの心や体によい働きを及ぼす食品 なのだ。今回は、砂糖に対する誤解を解いてみたい。 さて、砂糖の成分はブドウ糖と果糖が結合したもので、サトウキビやテンサ イ(砂糖大根)から作られる天然の甘味料だ。もっとも一般的な上白糖(白砂糖) はサトウキビの絞り汁から作った結晶で、本来は無色透明だが雪の結晶と同じ ように光の乱反射で白く見えている。けっして、黒砂糖を漂白して人工的に白 くしているわけではない。 この砂糖、じつは脳の大好物だ。ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源であり、 ブドウ糖の補給には砂糖がもっとも手軽で即効性があるからだ。おまけに、脳 の重さは体重の約2%でしかないが、その消費エネルギーは全身の20%を占め る大食いの器官ときている。だから、うまくブドウ糖を補ってやらないと脳は 元気に働いてくれなくなるのだ。ちなみに、脳は1時間に5gのブドウ糖を消費 するそうだ。 そのことを感じていた昔の人は「おめざ」という習慣を作り、起き抜けの子ど もに甘いものを少量与えていたのだろう。確かにひと晩寝たあとの脳はすっか りエネルギー不足に陥っているので、この習慣は大人にも当然必要だ。 また、集中力を要する仕事のときには、砂糖を上手に補給すると疲労感が抜 けて能率良く仕事が運ぶ。砂糖を取ると、ストレスを解消するエンドルフィン というホルモンが脳内に分泌されるからだ。机の中に飴やチョコレートなどを 常備しておけば、能率アップだけでなく気分転換にもなる。さらに、安眠を促 す効果もあるのだから、いたずらに敵視するのは砂糖に失礼というものだ。 要は、食べ物全般にいえることだが取り過ぎない(虫歯の心配なら、食べたら 歯を磨く)ということだ。肥満や成人病の主な原因は摂取カロリーより消費カロ リーが少ないことや、運動不足などの生活習慣だろう。砂糖を上手に摂取して、 脳の活動を活発にし、心晴れやかに過ごそう。 |
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