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■動脈硬化と脂肪肝の予防には食用ホオズキを! ホオズキといえば夏の訪れを告げる愛らしい植物、あるいは口の中で膨らま せた子どもの頃の遊びを思い浮かべる人が多いのでは。しかしいま、若い女性 を中心に「食用ホオズキ」が人気を集めている。普通のホオズキは渋くて酸っぱ くてとても食べられたものではないが、こちらは甘酸っぱくてフルーティーな 香りが口いっぱいに広がり、まるで果物の食感だ。 さて、黄色い殻(萼<ガク>)を開くと直径2cmほどの鮮やかな山吹色の実が顔 をのぞかせる食用ホオズキは、中南米原産のナス科野菜だ。糖度は15〜16と かなり甘いうえに、「ビタミンのエース」と呼ばれるビタミンA・C・Eやカロ テン、鉄分が豊富なので健康と美容に効果のある食べ物として脚光を浴びてい る。また、動脈硬化や脂肪肝の予防効果が期待できるイノシトールが多いので、 中高年にはとくにおすすめしたいニューフェースだ。 この食用ホオズキ、日本での知名度が上がってきたのはここ数年のこと。し かしメキシコでは、テオティワカン遺跡(世界遺産)の地層から種が発見されて おり、同じく中南米生まれのトマトよりもずっと歴史が古い食べ物だ。 メキシコの市場ではいまでも、食用ホオズキがトマト以上に大量に売られて おり、庶民の食卓には欠かせない味となっている。薬効成分が多いだけでなく 栄養価が高いため、古くから民間療法の「薬」として用いられてきたことと関係 がありそうだ。 日本では目新しいデザート、きれいな色と愛らしい姿を生かしてケーキの飾 りつけとして利用されているし、ジャムやパウンドケーキ、アイスクリームな どの加工品も出回っている。肉や魚と煮込んだり炒めてもぐっと味が引き立つ ので、料理の素材としてもいける。 露地物が登場する今頃から10月いっぱいが食べごろだが、特に9月は味がの って美味しくなる時期なので是非お試しいただきたい。小売店では1パック12 〜20個入りで売られている。 また、食用ホオズキは種も販売されているので自分で栽培する楽しみも味わ える。蒔き時は春だが、日当たりの良い場所なら割合育てやすいので、園芸が 趣味の方は来年育ててみてはいかがだろうか。プロのように「実が鈴なり」とい うわけにはいかないだろうが、家族で楽しめる分は採れる、ことを祈りたい。 |
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