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■ビタミンとミネラル豊富な水菜を鍋物で ★日本特産の漬け菜である水菜(京菜)の本場は京都。霜が降ると甘みが出て おいしくなる冬野菜だ。肉の臭みを取るので鯨肉や鴨肉などといっしょに鍋物 にするとおいしい。今回は冬の食卓をにぎわす、シャキシャキした食感が魅力 の水菜を紹介しよう。 名前の由来は、京都の東寺九条あたりで畑の畝間に川から引いた水を流して 栽培していたから。京菜とも呼ばれるのは京都の伝統野菜だからだ。豊富な水 と肥沃な土壌を生かした無肥料栽培だったが、現在ではこの方法で作っている 農家はまれだ。 水菜は1株の葉数が600以上、重さは4kgにもなる大型の野菜だ。京都盆地 の冬は冷え込みが厳しく、水菜は葉の凍結を防ぐために糖を蓄えるから葉の甘 みがぐっと強くなる。京都の人たちはこれが市場や店頭に並ぶと冬の到来を感 じるとか。漬け物だけでなく、煮物や和え物、汁の実になる冬のおばんざいの 常連だ。 ここで、いつも食べている水菜との違いにお気づきになった人もいるだろ う。そう、関西以外に住んでいる人たちが食べているのは1990年あたりから栽 培が始まった株が小さい水菜なのだ。クセがなく、茎が軟らかいのでサラダの 材料として人気が高まり、2000年ごろには茨城、千葉、埼玉などの東京近郊で 盛んに栽培されるようになったものだ。 だが、栄養分は変わらない。カロテン(体内でビタミンAに変化)やビタミ ンK、B2、葉酸、ビタミンCが豊富だ。また、カリウム、カルシウム、鉄な どのミネラル分も非常に多く、なかでもカルシウムは100g中に210mgとホウレ ンソウの約4倍、牛乳ならコップ1杯分ほども含まれている。 水菜には鉄もたっぷりと含まれている。ビタミンB群豊富な豚肉やビタミン Cいっぱいの柑橘類と一緒にとると吸収がよくなる。鉄は吸収されにくい成分 だけに、豚肉と一緒に鍋物にしてユズやカボスを入れたポン酢で食べてしっか りと摂取したいものだ。 葉の色が薄いので栄養価もそう高くないように見られがちだが、冬の健康維 持に適した栄養が豊富な水菜。価格が安めの旬のうちにたくさんいただきまし ょう。 |
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