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ミニマムアクセス米とは何?
 
 ★先月5日、ミニマムアクセス米(MA米)から発生した事故米の不正流通事件
が明るみに出た。カビ毒や有害な殺虫剤成分が含まれる非食用米が、流通の過
程で食用米に化けてしまったのだ。驚きとともに、「MA米って何?」という疑
問がわいた。私たちが知っているようで知らないMA米について調べてみた。


 そもそも、米が余ってペナルティ付きの強制減反政策をとり続けている日本
が海外からMA米を輸入する必要はあるのだろうか? これは1993年のWTO(世
界貿易機関)農業協定に基づく「最低輸入機会」の保証だ。そのため1995年か
ら輸入されてきた。政府は「輸入は義務だ」と言ってきたが、昨年は国際相場
の高騰と世界的な米不足で計画より7万トン少ない70万トンしか輸入しなかっ
た。これは輸入開始以来、初めてのことだ。

 ところで、MA米は食用米だと思っていたがどうして事故米事件が起きたの
か?じつは輸入業者(商社)と農水省の契約では、検疫で食品衛生法違反とな
った米も非食用米としてなら輸入が可能となっていたから。そのうえ、関係機
関の農水省も厚労省も輸入後の流通についてはまったく把握していなかったと
いうのだ。怠慢のそしりを免れない。

 さて、今年のMA米はというと、発覚翌日の9月6日に第1回の入札が行われ
て2万8千トンが落札された(農水省の輸入計画では4万1千トン)。農水省
も商社も問題がここまで大きくなるとは思っていなかったようだ。

 しかし世論の反発にあわてて、今後の輸入は再発防止策の具体的な手順が決
まるまで見合わせると発表。当然、年内の輸入再開は難しい。政府が言うよう
に輸入が「義務」なら重大な国際公約違反になる。しかし、今の段階では海外
から抗議が来ているという話は出ていないし、政府も国際関係については一切
言及していない。不思議な話だ。

 ついでに言えば、輸入小麦にも汚染麦が食用として流通しているという指摘
がある。日本は小麦の自給率が14%しかないので、仮にその指摘が事実なら事
故米以上に深刻な事態になるだろう。米や麦といった輸入穀物の入り口を管轄
する農水省の責任は非常に重大だ。

 最後に、稲作農家の2007年の家族労働報酬を紹介しておこう。全国平均の時
給計算では179円(農水省統計情報部による)だ。2006年は256円。今年は原油
や肥料の高騰で「再生産もままならない」という悲鳴が聞こえてくる。この時
給なら当然だ。農家からは、MA米が米価下落の原因になっているという不満も
聞こえてくる。

 輸入食料・食品も含めた食の安全・安心の確立と国内農業の育成は、国任せ
では大変なことになるということが分かった。これが今回の事故米事件の教訓
だろう。