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■旬のリンゴ、豆知識でよりおいしく ★「フジ」が出回り始めて、本格的なリンゴの季節がやってきた。リンゴは日 本の果樹栽培面積では第2位の人気の果物だ。そこでもっと楽しく、もっとお いしくなるリンゴの豆知識をいくつか紹介したい。 ●歴史 <旧津軽藩士の失業対策> 日本でリンゴが本格的に栽培されるようになったのは明治時代の初め。内務 省勧業寮が各県に苗木を3本ずつ配ったことがルーツだ。ちなみに、リンゴ全 生産量の半分を占める青森県では風土に合ったために根付き、旧津軽藩士の失 業対策として栽培が広がった。今では沖縄県をのぞく全国で栽培されている。 ●品種 <フジは「リンゴのトヨタ」> 明治時代に導入されたのは欧米系の75品種のリンゴだった。この中にはアメ リカ生まれの「紅玉」や「国光」などおなじみの品種も含まれていた。しかし 現在栽培されているのは「フジ」や「つがる」「王林」など日本で育成された ものが9割を占める。なかでも「フジ」は主力品種で、栽培面積の半分以上を 占める。甘みが強く日持ちが良いので世界中で栽培されるようになり、「リン ゴのトヨタ」といわれている。 ●受粉 <同じ品種同士では受粉しない> 不思議なことに、リンゴは同じ品種同士では受粉しない傾向が強い。そのた め、リンゴ園では晩生種「フジ」と早生種「さんさ」など、開花期が重なる別 の品種を混植する。両方の花が咲くと、マメコバチなどの訪花昆虫を園地に放 して受粉させる。しかし最近では、食用の別品種混植では農薬散布時期が異な って農薬飛散(ドリフト)問題がでるため、観賞専用種などを受粉樹として植 える方法が広がりつつある。 ●選び方と食べ方 <冷やすと甘みが強くなる> 果実を指先ではじくと金属音に似た音がするものを選ぼう。果皮に張りがあ り、ずっしりと重いものが良品。 ★耳寄り情報 含まれる糖全体に占める果糖の割合が4割近いリンゴは、食べるときに冷や すと甘みが強くなる。果糖にはα型と、α型より3倍甘いβ型があり、冷やす とα型がβ型に変化するからだ。リンゴは食べる1〜2時間前から冷やすのが 一番(果糖が多いナシ、ビワ、ブドウも甘くなる)。ただし、冷やしてもほと んど甘みが変わらない果物(ブドウ糖やショ糖が多いミカン、バナナ、カキ) もあるのでご注意を。 |
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