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■熱中症予防には夏野菜と水分補給 ★夏がどんどん暑くなっている。都市部では、気温が下がるはずの夜間にまで 熱中症患者がでるようになった。いまや、熱中症は子どもや高齢者など弱いも のを襲う病気ではなくなった。この病気に罹らないようにするには、どうすれ ばいいのだろうか。 近年、熱中症による死亡者は30歳から60歳未満の中年層でも増加している (肥満や睡眠不足、疲労は危険因子)。仕事やスポーツ中の発生が多いので、 炎天下にスーツ姿で外回りなどの際には注意が必要だ。直射日光だけでなく、 アスファルトの輻射熱をなるべく避けられるコースを選ぶなど工夫していただ きたい。都市部ならば地下街の通路を利用したり、ビルの日陰側を歩いたりし よう。 ところで、熱中症とはどんな病気か? 以下の4つに分類できる。 (1)熱失神:抹消血管の拡張で血圧が低下して、めまいや失神、脈拍が早まる。 (2)熱疲労:脱水により、倦怠感、脱力感、めまい、頭痛、吐き気がする。 (3)熱けいれん:発汗後に水だけの補給で血液の塩分が不足。筋肉のけいれんが 起こる。 (4)熱射病:体温の上昇で中枢神経がやられ、意識障害が起こる。死亡率が高い。 熱中症は気づくのが遅れがちだ、これらを覚えておくと、自分や周囲の人の 異常に早く気がついて、体を冷やすなどの対処ができるかもしれない。 では、どうすれば予防できるのか。もっとも大切なのは適切な水分補給だ が、スポーツや野外の作業時など大量に発汗するときにはスポーツドリンクな ど塩分が含まれるものにしよう。のどが渇きを感じてからではなく、その前に こまめに飲むことが大切だ。 また、3度の食事できちんと水分をとることも重要だ。味噌汁やご飯、食後 のお茶などでも水分補給はできる。見直したいのは、夏野菜の力だ。トマトの 94%、キュウリの95%は水分なので、どちらも1つ(1本)食べれば100cc程度 の水分補給ができる。汗で失われるカリウムなどのミネラル類もとれるので一 挙両得だ。 旬のスイカやメロン、モモも水分や果糖、ミネラルが豊富だ。果糖はエネル ギー源にもなるので、食欲がわかないときには召し上がっていただきたい。 熱中症予防のためは、衣類にも注意を払おう。肌の露出を多くする、ゆった りめや薄手の衣服にして皮膚から熱の放散を多くするなど工夫が必要だ。冷房 嫌いの人も多いようだが、28度に設定して体をいたわることも大切。湿度が高 く風のない日は、夜になっても屋内の気温は下がりにくい。夜間に熱中症にな らないように、クーラーや扇風機を冷えすぎない程度に使ったほうが質のよい 睡眠が得られるだろう。 |
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