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■中高年の“健康ダイエット”はたんぱく質と 食物繊維で ★メタボリック症候群撲滅のために会社の健康診断に腹囲が入った。それが必 要かどうかはさておき、肥満が体に悪影響を与えるのは確かだ。そこで今回は 中高年の体を守るダイエット方法をとりあげる。 「肥満が生活習慣病を招き、生活習慣病がさらなる肥満を招く」というのが “中年太り悪循環の法則”といえる。内臓脂肪型肥満の人の体内では、インス リンの作用を阻害する、動脈硬化を進行させる、血管壁を収縮させて血圧を上 げるなどの悪さをする物質が分泌される。このため、糖尿病や高脂血症、高血 圧が発症しやすくなる。そうするとますます太ってしまう。 では、肥満の原因は何か?――ずばり、エネルギーの過剰摂取なのだ。摂取 エネルギーより消費エネルギーが少なければ、余分なエネルギーは体内で中性 脂肪に変わって脂肪細胞に蓄積される。やはり肉類中心の高脂肪食から脱却し て、魚やたっぷりの野菜、果物、豆類、海藻類を食べるように心がけたい。夜 遅くには食べない、飲み過ぎないことも大切だ。 野菜や果物がよいのは食物繊維が多いから。果物のペクチンや海藻のアルギ ン酸は水溶性食物繊維でコレステロールの吸収を抑制する、糖分の吸収を抑制 して血糖値の急上昇を防ぐ働きがある。野菜や豆類に含まれる不溶性食物繊維 は、余分な栄養素を排泄するので肥満防止に役立つ。また、よくかまないとい けないものが多いので満腹感が得やすくなる。 さらに、魚や鶏のささみ、卵、大豆製品などのたんぱく質たっぷりの朝食を お腹いっぱいとるとよい。たんぱく質は緩やかに消化されるので、空腹を感じ にくいからだ。こうすれば、昼食をたくさん食べたいという欲求がおさまるだ ろう。 たんぱく質は脂質や糖質に比べて食事誘発性体熱産生(DIT、食べ物の消化 吸収などによるエネルギー消費で、食後に体がポカポカすること)が高い。 DITは腹部内臓脂肪の多い人、筋肉量が少ない人ほど低くなるので、食事をし ても体が温かくならない人はウォーキングするなどしてエネルギーを消費しな がら筋肉をつけよう。 中高年になると基礎代謝はぐっと落ちる。若い頃とは別の体になっているの だから、食生活も生活習慣もそれに合わせて見直しが必要なことを肝に銘じよ う。健康的な1日3食の食事量バランスは朝3、昼2、夕1だ。まずは、次の 健康診断までに腹囲を減らすという目標を立てて“健康ダイエット”を試して みてはいかがだろうか。 |
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