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■緑黄色野菜のカボチャで夏の栄養補給 陽をたっぷり浴びた露地栽培のカボチャが出回っている。ほくほくとして甘 みとうまみがある黄色い果肉は、いかにも栄養がありそうだ。活力が落ちがち な夏の健康保持には、旬のかぼちゃの力を借りよう! カボチャは端境期の秋から春はトンガやメキシコ、ニュージーランドからの 輸入物が出回るが、いまなら国産品が店頭に並ぶ。完熟させて収穫した鮮度の よいカボチャなので、夏がもっともおいしい時期だといえる。 ところで、日本でカボチャとして主に食べられているものには2種類ある。 1つは「日本カボチャ」(原産地:メキシコ中南部)。デンプン質が少なくね っとりとした味わいで、薄味の煮物や天ぷら向きだ。かつてはこちらが主流だ ったが、60年代を境に消費が激減している。 もう1つは「西洋カボチャ」(原産地:南米)。ホクホクとした粉質で甘み が強く、スープやパイなどの洋風料理に適している。蒸し物や炒め物などでも おいしく、いまや生産量のほとんどは西洋カボチャになった。 栄養的には、βカロテンの含有量が多く、野菜のなかではトップクラス(西 洋カボチャ100g当たり3900μg)。小腸で吸収されるときに脂溶性のビタミン Aに変わるので、油で料理すれば吸収率が高まる。 また、ビタミンCやEもたっぷりと含まれている。これにβカロテンを加え た3成分は感染症への抵抗力や抗酸化作用が強く“病気予防の最強トリオ”と 呼ばれており、夏風邪予防に効果がある。 また、ビタミンEは肌の健康に欠かせない成分とあって、行楽などで外出が 多くなる時期の紫外線対策に利用したい。豊富に含まれるカリウムは利尿作用 で体にたまった熱を排出する働きがあるものの、料理すると3割は溶け出して しまう。煮汁ごと食べるようにしたい。 夏ばてで食欲がないときにも、消化が良く、主成分が糖質ですばやくエネル ギー源になるカボチャがおすすめだ。そんなときには油を使わず、煮物にしよ う。薄い煎茶で煮るとほっくりと煮上がるので、さらにおいしくいただける。 |
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