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237ピーマンのルーツをさぐる
238健康・元気のもとは腸内細菌の良好なバランス
239リコピン豊富なスイカで夏の健康保持!
240夏の冷凍食品の扱い方
241緑黄色野菜のカボチャで夏の栄養補給
242だるさやむくみの解消にキュウリ
243熱中症予防には夏野菜と水分補給



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健康・元気のもとは腸内細菌の良好なバランス
 
 ★ヒトの腸内には乳酸菌などの善玉菌や、下痢や便秘を引き起こしたり発ガン
物質を作ったりするといわれる悪玉菌などが約1kgも住み着いている。腸内細
菌は体のなかで増殖と死を繰り返しており、便の3分の1は腸内細菌の死骸だ
ともいわれるほどだ。私たちの健康に欠かすことのできない善玉菌は、残念な
がら加齢とともに減少する。ならば、腸内の善玉菌を増やす食生活をしなくて
は。

 腸内細菌という言葉はよく耳にするが、どんな働きをしているのだろうか。
食べ物を分解するほかにもビタミンB群を作る、免疫力を高めてアレルギー反
応を抑える(とくに子どもの場合)、抵抗力をつけるなどの全身の健康を守る力
があるのだ。ただし、腸の中で悪玉菌も含めた様々な細菌がある程度バランス
をとった状態で共存していることが前提だ。悪玉菌がいても、善玉菌に元気が
あれば悪さができないので心配はいらない。

 では、どうすれば善玉菌が増やせるのか。暴飲暴食や偏食、喫煙と過度の飲
酒は腸内の環境を乱す元なので慎まないといけない。さらに、善玉菌のエサと
なる食物繊維が豊富な野菜やイモ類、豆類、海藻、果物を摂取する、乳酸菌が
豊富なヨーグルトを食べる、などが考えられる。

 ここで誤解しないでいただきたいのは、腸内には人それぞれの固有の細菌が
いて、ヨーグルトの乳酸菌がそのまま棲み着くとは限らないことだ。それでは
なぜ、ヨーグルトがいいのか? 口から入った乳酸菌が胃酸で死んでも、乳酸
菌の作った乳酸は腸内でもともといた乳酸菌を増やしてくれる働きをするから
だ。

 ほかにも、乳酸菌と食物繊維が豊富な野菜のぬか漬けを食べる、みそやしょ
うゆ、酢、納豆、カツオ節などの発酵食品を食べることも効果があるという。
これなら比較的簡単に続けられそうだ。

 さて、新生児の腸内細菌はビフィズス菌(乳酸菌)が9割を占めるが、離乳食
が始まる頃から減り始め、60歳ごろには1%ほどになってしまう。腸内に乳酸
菌を多く持っている人は長寿で生活習慣病の罹患率が低いという調査結果もあ
る。元気で長生きのために、今から腸内環境を整える生活を心がけよう。