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216“ビタミン充実野菜”カブで免疫力を強化しよう!
217米や野菜のうまみを引き出す土鍋で、料理をもっと
      おいしく!

218 2008年は国連が制定した「国際ポテト年」―
      その意味は?    

219 定期健診で肝臓病を早期発見・早期治療しよう!     
220キウイフルーツは栄養素の宝庫    
221姿勢を矯正すると疲れにくくなる!
222よく噛むと大脳の神経細胞が活発になる



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■キウイフルーツは栄養素の宝庫

冬の果物といえば柑橘類やリンゴがほとんどで、時々は目先の変わった物が
食べたくならないだろうか。そんなときには、ちょうど国産品の出回り時期
 で価格も手頃なキウイフルーツに登場願おう。色鮮やかな果物売り場にあっ
 てはちょいと地味な存在だが、大きな健康効果を秘めているのだ。


 キウイフルーツが日本で知られるようになったのは、1970年の大阪万博ニュ
ージーランド館の展示がきっかけだった。70年代後半になると、日本でもミカ
ンの転作作物として栽培が始まる。現在では青森から鹿児島まで広い地域で栽
培され、特に愛媛、福岡、静岡、和歌山の生産量が多く、国内の流通量も国産
と輸入が半々程度になっている。キウイフルーツは秋に収穫したものを追熟さ
せて食べごろに出荷しており、国産品は4月頃まで店頭に並ぶ。

 茶色で毛が生えたようなキウイフルーツも、切ればエメラルドグリーンやイ
エローゴールドの果肉が現れて意外に華やかな果物だ。栄養的にも大変優れて
おり、ビタミンCは1個(約100g)で1日に必要な量の約7割をまかなえるだけ
でなく、ビタミンEやカリウム、食物繊維も豊富な“栄養素の宝庫”だ。

 また、アルツハイマー認知症や心臓病の予防効果が期待されている葉酸や骨
粗しょう症のリスクを減らすカルシウムも豊富だ。キウイフルーツはカリウム
が豊富なのにナトリウムが少ないという特長を持つので、高血圧予防効果を期
待する向きには適した果物だ。甘みの強い果物だが、疲労回復に役立つ有機酸
はレモンやライムなどに次いで多いので、運動後だけでなく残業が続いたとき
にも召し上がっていただきたい。

 最近は果肉の中心付近が赤く染まる「レインボーレッド」、果肉がイエローゴ
ールドの「さぬきゴールド」など国産の新顔も出ているので選択の幅が広がって
いるのも魅力の果実だ。

 ところで、キウイフルーツという名前はニュージーランドの国鳥・キウイバ
ードに似ているから付いたことはよく知られているが、名前は3回も変わって
いる。原産地の中国からニュージーランドに持ち込まれた1904年には「ヤンタ
オ」、その後「チャイニーズ・グーズベリー(中国のスグリ)」という名で栽培
されたが、1959年に「キウイフルーツ」になった。

当時は冷戦時代。ニュージーランドがアメリカに輸出する際に中国の名前
が入っているのはまずいだろうという配慮が働いて改名したという。確かに
東西が軍拡競争に明け暮れており、それほど過敏に反応してしまう国際情勢
ではあった。