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■レシチン豊富なこうや豆腐で、正月太りを 解消しよう! ★鎌倉時代から伝わる日本の伝統的保存食、こうや豆腐は、豆腐の栄養が凝縮 した健康食品だ。高たんぱくでカルシウムや鉄が豊富とあって、骨の強化や 貧血を予防する食材になる。消化もよいので、風邪をひいたときの栄養補給 にも適している。ところで、こうや豆腐にはいくつか名前があるのはなぜだ ろうか? 関西ではおもに「こうや豆腐」と呼ばれるが、東北や北海道、甲信越では「凍 (こお)り豆腐」「凍(し)み豆腐」と呼ぶことが多い。それは発生の歴史に違いが あるからだ。 こうや豆腐は鎌倉時代の初頭に高野山の僧侶が作って、江戸時代になると土 産として全国に広がった。一方、凍り豆腐や凍み豆腐は寒冷地で伝統的に作ら れていたという。 東北出身の筆者にとっても、軒下につるした凍り豆腐は冬の風物詩だった。 夜間になると凍り、日中には融けるを繰り返して寒風に吹かれるうちに徐々に 乾燥して黄色みがかり、最後は硬いスポンジ状になる。表面に氷の結晶のよう な模様が残ることもあって、凍り豆腐という名前はぴったりだと思ったものだ。 しかしいまでは、大半は工場の冷凍庫で作られている。氷点下10℃の送風で 凍結させ、その後は氷点下3〜5℃の冷凍庫で20日ほどかけて熟成させる。熟 成後に水をかけて解凍して、ふっくらとした柔らかみを出すために重曹水をか けてからプレス脱水・乾燥させる。 工場で作るこうや豆腐は意外に手間がかかっているのだ。こうしてできあが ったこうや豆腐には、通常の豆腐の7倍ものたんぱく質が含まれる。また、こ うや豆腐1枚(16.5g)にはしらす40g分(小鉢1杯)の鉄分が含まれるとあって、 鉄分不足の人には適した食品だ。 さらに脂肪を分解するレシチンが非常に豊富なので、正月太りを解消するの に利用できる。だしのきいた煮汁を含ませると意外に満腹感が得られるのもう れしいところだ。ただし、栄養においてはカロテンとビタミンCが不足してい るので、ニンジンなどの緑黄色野菜と組み合わせよう。 こうや豆腐はカルシウムや鉄分が豊富だが、両方とも吸収が悪い栄養だ。吸 収を高めるには、ビタミンDがたっぷりと含まれるイワシの丸干しや紅鮭、サ ンマや白キクラゲと一緒に食べるとよい。寒い時期にはこってりした料理が多 くなりがちだが、鍋物やみそ汁、卵とじと上手に利用して冬の食卓をヘルシー に変えてはいかがだろうか。 |
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