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■カリウムが豊富な栗は高血圧予防の味方! ★童謡『里の秋』に「栗の実煮てます囲炉裏端」という歌詞があるように、昔か ら秋には栗が食卓にのったものだ。最近は菓子などで1年中お目にかかれる が、やはり秋ならではの味わいは新栗と新米という採れたての味の組み合わ せではないだろうか。 栗は見た目は地味だが、意外なことにビタミン類が多い。体の免疫力を高め るビタミンC、ご飯やパンの糖質をエネルギーに変えるビタミンB1、肉や魚を 食べたときにアミノ酸を代謝するのに必要となるビタミンB6がとくに豊富なの だ。これらのビタミンは水溶性とあって調理すると流れてしまうが、栗は皮ご とゆでるためにビタミンが失われることがない。 また、栗100g(5個程度)でビタミンCの1日に必要な栄養所要量が摂れてし まうし、ビタミンB1では男性で38%、女性で53%も摂取できてしまう。ビタミ ンB6は男性で33%、女性で42%が補える。なかなかの「実力派」ではないか。 さらに、栗にはナトリウムが少ないうえに、ナトリウムを排泄するカリウム が豊富だ。高血圧が気になる方にはよい食材といえる。 栗は実だけでなく、木も大変有用だ。栗の木にはタンニンが含まれているの で腐食に強く、堅くて圧力に強いという特長があるからだ。現在は耐圧性を生 かして建築用の土台として利用されているが、かつては鉄道の線路の枕木に盛 んに利用されていた。1度敷設すれば、風雨にさらされても15〜30年も使用で きたというから驚きだ。炭にすれば火力が強く、鍛冶屋などが使っていた。 ところで、女性のマニキュアの始まりは栗と関係があることをご存知だろう か。フランスを代表する菓子はマロングラッセだが、手作業で渋皮をむくのは 女性が嫌う仕事だった。爪を作るたんぱく質と渋皮のタンニンが結合して、爪 が真っ黒になるからだ。そこで黒くなった爪を隠すために生まれたのがマニキ ュアだという。働き者たちの知恵が生んだおしゃれだったのだ。 「栗名月」と呼ばれる十三夜は10月23日。名月をめでながら、栗の豆知識など を披露しつつ新栗を召し上がってはいかが。 |
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