直線上に配置

バナー


66外食時のひと工夫
67メロンは健康維持に効果のある機能性食品
68アスパラに新顔登場
69早朝高血圧は要注意!家庭で血圧を測ろう
70「梅雨アナゴ」は旨いアナゴの代名詞
71肝臓力アップには土用シジミ


   
       BACK目次
           NEXT 目次  
        
 
肝臓力アップには土用シジミ
  疲れた日に滋味に富んだシジミのみそ汁を飲むと、元気がわいてくるような
気がする。独特の旨みがつまったシジミには、体を癒す力がありそうだ。そろ
そろ、夏の産卵期を前に身が詰まった「土用シジミ」が出回る時季になる。今
回は旬を迎えるシジミの栄養や下ごしらえのコツを紹介したい。

 さて、シジミは地味な風采と小さな体に似合わず栄養価が高い。非常に良質
なタンパク質を含みながらも低脂肪というヘルシーな食材だ。特に豊富なビタ
ミンB12、タウリンは体内の老廃物を解毒して黄疸を予防し、肝臓を活性化さ
せる効果が高い。昔から肝臓に良いといわれてきたシジミだが、今でも肝臓病
の食事療法に取り入れられている「クスリになる貝」だ。また漢方では二日酔
いを治す、解熱・利尿作用がある食品とされている。

 とはいってもシジミは一度に大量に食べられるものではないので、よりおい
しく、より多く栄養分を摂取するために下ごしらえに一工夫しよう。まずは、
1%の塩水(水1Lに塩10g)で4時間ほど砂出しする。これでコハク酸などの
旨み成分が4倍になるそうだ。シジミは汽水域(海水と淡水が交じる場所)に
住んでいるので、塩水につけても死ぬことはないのでご安心を。

 さらに砂出し後に冷凍すると、アルコール代謝を助けるアミノ酸がぐっと増
える。家庭の冷凍庫でも4カ月ぐらいは持つので、小分けしておくと二日酔い
の朝にさっと食卓に出せる。火を通せばちゃんと口は開いて、旨みがたっぷり
と染み出してくる。

 ところで皆さんは、シジミ汁の味に満足して椀のなかに身を残していないだ
ろうか。コハク酸やアミノ酸などのうまみ成分は汁に溶け出しているが、亜鉛
や鉄、カルシウムなどのミネラルやビタミン類は8割がた身に残ったまま。や
はり、ちょっと面倒でも貝から身をはずして有効成分を食べきろう。よほど悪
化しないと自覚症状が出ない「無言の臓器」肝臓はシジミ料理でいたわろう。