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■肝臓力アップには土用シジミ 疲れた日に滋味に富んだシジミのみそ汁を飲むと、元気がわいてくるような 気がする。独特の旨みがつまったシジミには、体を癒す力がありそうだ。そろ そろ、夏の産卵期を前に身が詰まった「土用シジミ」が出回る時季になる。今 回は旬を迎えるシジミの栄養や下ごしらえのコツを紹介したい。 さて、シジミは地味な風采と小さな体に似合わず栄養価が高い。非常に良質 なタンパク質を含みながらも低脂肪というヘルシーな食材だ。特に豊富なビタ ミンB12、タウリンは体内の老廃物を解毒して黄疸を予防し、肝臓を活性化さ せる効果が高い。昔から肝臓に良いといわれてきたシジミだが、今でも肝臓病 の食事療法に取り入れられている「クスリになる貝」だ。また漢方では二日酔 いを治す、解熱・利尿作用がある食品とされている。 とはいってもシジミは一度に大量に食べられるものではないので、よりおい しく、より多く栄養分を摂取するために下ごしらえに一工夫しよう。まずは、 1%の塩水(水1Lに塩10g)で4時間ほど砂出しする。これでコハク酸などの 旨み成分が4倍になるそうだ。シジミは汽水域(海水と淡水が交じる場所)に 住んでいるので、塩水につけても死ぬことはないのでご安心を。 さらに砂出し後に冷凍すると、アルコール代謝を助けるアミノ酸がぐっと増 える。家庭の冷凍庫でも4カ月ぐらいは持つので、小分けしておくと二日酔い の朝にさっと食卓に出せる。火を通せばちゃんと口は開いて、旨みがたっぷり と染み出してくる。 ところで皆さんは、シジミ汁の味に満足して椀のなかに身を残していないだ ろうか。コハク酸やアミノ酸などのうまみ成分は汁に溶け出しているが、亜鉛 や鉄、カルシウムなどのミネラルやビタミン類は8割がた身に残ったまま。や はり、ちょっと面倒でも貝から身をはずして有効成分を食べきろう。よほど悪 化しないと自覚症状が出ない「無言の臓器」肝臓はシジミ料理でいたわろう。 |
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