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60キャベツは野菜の優等生
61春のイライラはタウリンで解消
62菜の花は食べて良し、見て良し
63第7の栄養素「ポリフェノール」に注目!
64アサリがとれなくなる?
65新茶を味わおう

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新茶を味わおう
 4月初旬になると、六十六夜で茶摘ができる鹿児島で、新茶の初せりが行な
われる。そのあと日本各地の茶どころでも初取引が行なわれ、続々と美味しい
新茶が出回りだす。旬を先取りしたい、初物を好む、といわれる日本人には不
可欠の味わいだろう。すがすがしい香りと甘みがありながらほのかな苦みが感
じられることが新茶の特長だが、それはどうして生まれるのだろう。

 そもそも新茶とは、前年秋まで摘まれた茶の木が冬の間に蓄えた養分をたっ
ぷりと吸い込んだ新芽で作ったお茶のこと。そのため茶葉にはアミノ酸(テア
ニン)が多くなり、まろやかな旨みと甘みが出るというわけだ。また春の若葉
には芳香成分の青葉アルコールが多く含まれるためにさわやかな香りが立つ。
これは精神を穏やかにする働きのある成分だが、新茶に含有量が多いのは製法
にも秘密がある。

 お茶は葉を蒸して発酵を止めて、乾燥させながら揉み込んで作る。最終段階
で仕上げの乾燥を加えるのだが、新茶は軽く乾燥させただけで出荷されるので
新鮮な緑の香りが楽しめる。そのため新茶は少量ずつ買って、開封したら香り
が逃げないうちに早めに飲みきるようにしたい。

 では、せっかくの美味しい新茶の味や香りを損なわずに煎れるにはどうした
らいいだろうか。一般的には、沸騰したお湯を80℃ほどに冷ましていつもより
少し多めの茶葉(1人分茶さじ2杯強位)で1分程度抽出する。ただ、もっと
低い温度で長く蒸らしてみたり(甘みが出る)、90℃ほどのお湯で短時間に煎
れる(ほろ苦さや、ほのかな渋みが出る)など、甘みや苦みのバランスが自分
の好みになるように茶葉の量や抽出時間を調節しながら煎れてみるとより新茶
が楽しめるのではないだろうか。生産地(静岡、京都、三重、滋賀、奈良など)
によって茶葉に個性があるので、各地のお茶を試すのも一興だろう。