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■食物繊維が白米の17倍以上!麦ご飯でメタボを 予防しよう ★季節は麦秋。福井、茨城、栃木など本州の麦主産地では収穫最盛期を迎え、 黄金色に輝く畑のあちらこちらでコンバインが動きまわっている。ここ数年、 雑穀類の機能性が見直されて六条大麦の需要が伸びている。麦ご飯として食 べる大麦にはメタボリックシンドローム予防に欠かせない食物繊維が非常に 豊富で、白米の17倍以上も含まれているのだから。 麦ご飯は日本人の体質に合った伝統食だ。主食としての米と大麦はベストパ ートナーで、最近は全国の7割の学校給食にも取り入れられている。水溶性食 物繊維(血中コレステロールの低下、血糖値調節の働き)と、不溶性食物繊維 (便のカサを増して大腸をきれいにする働き)の両方がバランスよく含まれてい るだけでなく、疲労回復効果のあるビタミンB1や鉄、カルシウムなどのミネラ ルも豊富だ。 大麦の魅力は、日本人に不足しがちな成分が多いだけでなく主食として摂取 できる点にもある。おまけに麦ご飯は作り方も簡単だ。白米を普通に研いでそ こに大麦を加えて1時間ほど浸水、あとは多めの水加減で炊くだけだ。 真ん中に黒い筋の入った押し麦が苦手なら、米粒状になった麦もある。また、 炭水化物をエネルギーに変えるときに必要になるビタミンB1を配合した栄養強 化大麦も売られているので、梅雨時や夏バテ時に食べるのもいいのではないだ ろうか。 麦ご飯と相性が抜群なのはとろろだが、麦ご飯は白米より弾力が出るのでカ レーライスやチャーハンにもよく合う。通常、麦の量は米の1割程度だがカレ ーの場合は3割入れるとちょうどよいように思う(お好みで調節しよう)。チャ ーハンにするときには炒め過ぎると大麦だけ硬めになるので注意していただき たい。 さて、近年は国産大麦が慢性的な供給不足に陥っている。大麦の栽培は水田 の裏作としても有効で、「米麦二毛作」は地力の回復や病害虫発生の防止にも役 立つ世界に誇れる作物体系だ。不足分を補うために品質が国産品に比較的近い カナダ産を輸入しているが、異物混入が多く問題となっている。今後、上質な 国産大麦の栽培が増加することを期待したい。 |
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