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■大腸がんを早期発見できる「便潜血検査」を年1回受けよう! ★家庭の食卓に肉や乳製品など高カロリー・高脂肪の食品が日常的に並ぶよう になったこの40年間で、患者数が8倍に増加した大腸がん。中高年の大敵と もいえる大腸がんへの対策を解説する。 大腸がんの1990年の罹患数は6万人だったが1999年には9万人を超え、2015 年には胃がんや肺がんを抜くと予想されている。罹患年齢では60代がもっとも 多く、次いで70代、50代と続く「中高年の大敵」ともいえる病気だ。 気になるのは大腸がんの自覚症状だが、早期にはほとんどないようだ。それ でも、毎日の自己チェックは怠らないようにしたい。血便の有無、便が細くな る、残便感、便に粘液が混じる、下痢と便秘を繰り返すなど、排便時の変調を 敏感にとらえておくことが大切だ。血便は暗赤色や黒っぽい血液が混じるのが 特徴なので、血の色で痔と区別したい。 では、早期発見するにはどうすればよいのだろうか。現在もっとも普及して いるのは、肉眼ではわからない出血を見つけることができる「便潜血検査」だ。 採便棒で便の表面をまんべんなくこすり取るだけで済む、簡便で有効な検査法 といえる。もちろん、この検査が陽性であっても大腸がんだとは決めつけられ ない。 逆に大腸がんであっても1〜2割は便潜血反応が陽性にならないようだが、 40歳を過ぎたら1年に1度はこの検査を受けていただきたい。国立がんセンタ ーで大腸がんの手術を受けた人の3割はこの検査で発見されているそうである。 ところで、気になるのは大腸ポリープと大腸がんの関係だろう。50代では4 人に1人にポリープがあるともいわれているが、そのほとんどは良性だ。それ でも大きいものを放置しておくとがんになる可能性があるという。健康診断な どで発見されたことのある人はポリープができやすい体質だと自覚して、2〜 3年おきに大腸内視鏡検査を受けたいものだ。 大腸がんは進行が遅く、発見さえ早ければ肛門から大腸に内視鏡を挿入して 切除したり、手術で「ほぼ」完全に治すことが可能な病気だという。まずは大 便をしっかり観察してから流す、年に1回は便潜血検査を受ける、という簡単 で負担の少ない方法で早期発見に努めたい。 |
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