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■卵への誤解 ―じつは生活習慣病を予防する機能性食品― ★日本は卵の世界一の消費国だ。その反面、コレステロール値が高いと敬遠す る人も多いようだが、研究が進むにつれて生活習慣病の予防や認知症の改善 効果があることがわかってきた。卵への誤解を解くべく、驚きのパワーを紹 介しよう。 物価の優等生といわれる卵は料理法も多く、主役にも脇役にもなる手軽な食 材だ。良質なたんぱく質が豊富な高栄養価食品だが、約90年前にロシアで行な われた実験で、コレステロールを高めるという誤った結論が導き出されてしま った。 この実験、草食動物のウサギに動物性たんぱく質の卵を与えるという大胆な もので当然、ウサギの血中コレステロールは跳ね上がる。日常的に肉も食べる 人間には当てはめられない実験だったのに、結果が一人歩きして食べると問題 が多い食品の烙印を押されてしまったわけだ。 確かに卵は、"過剰に"摂取すると動脈硬化の原因になるコレステロールが高 い食品ではある。だが、いまではコレステロールは細胞膜の主成分であり、脂 肪の消化を助けたり、脳神経の刺激を伝える組織の成分になっていることなど が判明し、善玉コレステロールは体に必要なものだと考えられている。 おまけに卵には悪玉コレステロールだけを下げるオレイン酸や、血液をサラ サラにするレシチンも含まれているので、生活習慣病予防に役立つ食品だとわ かってきた。 さらに、卵のメチオニン(必須アミノ酸)は肝臓の解毒を助けたり炎症を抑え るので酒の友にはぴったりだ。また、卵黄に含まれるコリンは神経伝達物質の もとになるもので、記憶力や学習能力を高める働きがある。老人性認知症の治 療薬に期待されている成分だが、卵に含有量が多い。脳の発達を促す成分なの で、大人だけでなく子どもにも卵料理はおすすめだ。 さて、これから一層寒くなるが卵白には風邪薬に配合されている「塩化リゾチ ーム」という酵素が含まれている。細菌の細胞壁を分解して殺し、免疫力を高め るので、風邪がはやる時期にはビタミンCが豊富な野菜と一緒に卵を食べてい ただきたい。 参照 筑前飯塚宿たまご処卵の庄 |
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