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■正月の膳に欠かせないレンコンには、栄養素と機能性成分が豊富! ★レンコンは「見通しがよい」「先が見える」などといわれ、正月の祝いの膳 には欠かせない食材だ。露地物の旬は10月からで、需要の最盛期はおせちの 準備に入る12月の下旬だという。1500年以上前に渡来したこの縁起物、強い 抗酸化作用があり生活習慣病を防ぐとともに、風邪の予防に効果的な野菜だ。 レンコンの栄養素はというと体の抵抗力を高めるビタミンCが非常に多く、 100gあたりでキンカンと同程度が含まれる。また、高血圧を予防するカリウム や鉄などのミネラル類、糖尿病予防の働きがある食物繊維が多い。レンコンの ビタミンCは加熱しても損なわれにくいので頼もしい。 栄養素だけでなく、機能性成分が豊富な点も見逃せない。レンコンの切り口 を茶色に変色させる犯人はタンニンだが、この渋み成分がじつは炎症を鎮めた り出血を止める働きをするポリフェノールだという。 確かに民間療法では、レンコンに止血作用があるので胃や十二指腸潰瘍の吐 血や血便、鼻血止めに効くとされてきた。経験の積み重ねから感じていた効用 を化学が実証した格好だ。タンニンの抗酸化作用はたいへんすぐれており、生 活習慣病や老化防止効果が期待できる。 また、粘り成分のムチンは胃粘膜を保護したり修復したりする。さらに食物 繊維のペクチン、ヘミセルロースはコレステロールを吸着して排泄してくれる し、ダイエットにも一役買ってくれる。暴飲暴食しやすい年末年始にはじつに ありがたい食材だ。 さて、この冬は例年に比較するとそう安くはなさそうだが、良品が出回りそ うだ。節の間が長めで細いものはシャキシャキ感があり、短くて丸みのあるも のはもっちりしているものが多いので料理法やお好みで選ぼう。料理を短時間 で仕上げるとレンコン特有の食感や風味が生きる。 おせちの酢バスにするときには酢水につけると白く仕上がるが、煮しめの場 合は逆に酢水に放すとでんぷん特有のホクホク感がなくなるので、料理によっ て下ごしらえの方法を変えるとよいだろう。 |
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