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223花見の前にサクラの雑学
224春の疲れ撃退には「山うなぎ」
225二日酔いにならないための方法は?
226フキは春の健康食――抗酸化作用で老化防止    
227自給率39%とはどういうことか?    
228緑茶は輸出の優等生―健康・自然志向で海外で人気上昇中
229ハムってどういうもの?



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■ハムってどういうもの?
 
 ★ハムは重宝な食品だ。サラダやサンドイッチ、オードブルと幅広く使えるの
 で、大人も子どももファンは多い。人気があるのはロースハムやボンレスハム
 、ショルダーハムなど加熱して作ったものだ。日本ではJAS法で原料は豚肉と
 定められているが、塊り肉で作った加工品をハムと呼ぶこともある。鶏肉や牛
 肉、猪肉や鹿肉で作った製品も出ている。
 
 
  では、ハムはどうやって作っているのだろう。まずは、肉の骨や余分な脂肪
 を取り除いて整形し、食塩や発色剤、香辛料を溶かした調味液につけ込む。こ
 の工程を塩漬(えんせき)というが、最近は肉に調味液を注入している工場が
 多いようだ。次に流水で洗って塩分を抜き、セルロースなどでできた人工の皮
 に肉を充填して燻煙後に湯煮する。その後、冷却して包装すれば完成だ。ちな
 みにロース肉を使えばロースハム、モモ肉ならボンレスハム、肩肉ならショル
 ダーハム、バラ肉ならベリーハムになる。
 
  ところで、近年は日本でも生ハムの消費が増えているが、世界三大ハムとい
 われるスペインのハモン・セラーノ(原料は白豚)、イタリアのパルマハム
 (チーズの製造過程で出る乳清を飲ませて育てた豚)、中国の金華ハム(金華
 豚)は生ハムだ。生ハムは地域によって多彩な作り方をするが、塩漬した肉を
 風通しの良い場所で長時間低温乾燥・熟成させるのは共通している。これらは
 すべて骨付きの豚の後ろ足。そう、もともとハムとは「豚の後ろ足とその加工
 品」をさす言葉なのだ。
 
  ハムは手軽な食品だが、タンパク質やビタミンB群が豊富なので疲労回復効
 果が期待できるという利点もある。たっぷりの野菜と一緒に取ると良いだろう
 。ただし塩分や脂肪分が多いので、高血圧や高脂血症などの方は量を控えめに。
 
  さて、ハムは肉を長持ちさせるために生まれた生活の知恵だった。しかし最
 近のハムは風味を楽しむものになって、さほど日持ちはしない。開封したハム
 は早めに食べきりたい。なお、食品衛生法で消費期限が表示されているが、開
 封前の期限なのでご注意を。