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■自給率39%とはどういうことか? ★昨年9月、農林水産省が平成18年度の食糧自給率(カロリーベース)が39%だ ったと発表した。自給率39%とはどういうことなのだろうか。まずは、今年で あれば国民すべてが1月1日から国産品だけを食べたら5月23日には日本の食 料の底がつくこと。あるいは、国民の61%は食べるものがないということ。こ う考えてみると、意外に大きな問題なのだと改めて気がつく。 日本は世界で124番目の自給率で、先進国では最下位。そんな状況を好転さ せようと今年2月、農林水産省は「日本SHOCK!フェア」を開いた。そのなか で注目を集めたのは、東北大学の学生が考えた「2,020kcalメニュー」だ。 国産の食材だけでこのカロリーのメニューを作ると、朝はご飯1杯・漬け物 少し・ジャガイモ2個、昼はサツマイモ小2本・ジャガイモ1個・リンゴ4分 の1個、夜はご飯1杯・サンマ1匹・サツマイモ小1本。これだけだ。もちろ ん、輸入ダイズで作る味噌は使えないから味噌汁はなし。 これにはさすがに驚いた。じつは2,020kcalとは国の「食料・農業・農村基 本計画」に基づいて2015年に自給率が45%に好転することなどを前提に、農水 省が試算した自給可能なカロリーなのだ。自給率39%下で現在は1人当たり 2,548 kcalを摂取しているが、国産の食材のみで供給できるのは996kcalにす ぎない。すると1〜2歳の乳幼児と同じエネルギーしかとれないことになるの だ。 ところで3月中旬、山形市で主に地場産の食材を使ったクッキングコンテス トが行われた。山形県は2006年の自給率が132%(概算値)という全国第3位 の“実力県”だが、参加者の自給率最高は96.3%だった。使った材料はすべて 山形産か国産だったのに、だ。実は畜産の飼料がほとんど輸入だったため、山 形育ちの豚肉の自給率は10%になってしまったから。自給率向上には飼料の自 給率を上げるという難題のクリアが欠かせないのだ。 もちろん、食糧を輸入に頼ってもよいという考え方もある。しかし今、自国 の胃袋を優先して穀物輸出規制をする国が急増している。日本が輸入している 食料を耕作面積に換算すると約1,200万haで、国土の約2.5倍の面積で作られる 食料を海外に依存している状態だ。一方、埼玉県や滋賀県に匹敵する38万haの 耕作放棄地がある。このアンバランスはなんとかしないといけないのではない だろうか。 |
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