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■フキは春の健康食――抗酸化作用で老化防止 ★数少ない日本原産の野菜・フキが店頭に並び始めた。“春は苦みを盛れ”と いう言葉があるように、芽吹きの時期にはほろ苦さがことにおいしく感じるも のだ。この旬の味には独特成分が含まれており、体の酸化予防やアレルギーを 抑える働きをしてくれる。フキにはどんな健康機能性があるのだろうか。 フキには特有の成分であるフキノール酸とフキノンが含まれている。前者は ポリフェノールの一種で強い抗酸化作用があり、体のさびつきを抑えてがんや 動脈硬化、糖尿病などの生活習慣病を予防するといわれている。後者には抗ア レルギー作用が確認されている。この2つの成分の相乗効果で、花粉症やアト ピー性皮膚炎の症状を抑えるという。 独特の苦みのもとであるクロロゲン酸もポリフェノールの一種で、やはり抗 酸化作用がある。栄養成分も豊富だ。例えば体内のナトリウム排出効果で高血 圧を予防するカリウムは100g中に330mg、カルシウムは40mg、食物繊維は1.3g も含まれている。風味や香りとともに、含有成分も中高年向きといえそうだ。 ところで、フキは茎だけを食べるものだと思ってはいないだろうか。もちろ ん、茎の煮物や佃煮(きゃらぶき)、漬け物はおいしいが、フキノール酸の含 有量は葉の方がけた違いに多い。葉は捨てずに、手早くゆがいてから豚肉やし らす干しなどと炒め物にしよう。 では、茎はどうするか。適当な長さに切って、塩をまぶしてまな板の上で板 ずり後にゆでる。きれいな緑色に変わったら冷水にとって手で皮をむいてから 料理しよう。生のままでは日持ちしないので、鮮度のよいものを選んで早めに 使い切りたい。緑が鮮やかで、根元が赤いものが良品。短く切ってあるものは 鮮度の見分けができないので、長いままで購入したほうがよいだろう。 フキというと山菜を連想するかもしれないが、市場に流通するもののほとん どは野菜として栽培されたものだ。それというのも、山菜人気による乱獲や自 然の再生産では需要に追いつかなくなったから。今の時期に収穫するのはハウ スの半促成栽培品で、アクが少なく食べやすくなっている。フキは苦手という 人もぜひお試しいただきたい。 |
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