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■生活習慣病や風邪を予防するドリンク・甘酒を 作ってみよう! ★本格的な寒さがやってきた。温かい飲み物が恋しくなるが、真冬だからこそ の飲み物は甘酒ではないだろうか。昔は雪がちらつくころになると、多くの 家庭では麹を買って甘酒を作ったものだった。麹菌パワーとコタツや湯たん ぽを利用した冬ならではの甘酒にはどんな栄養があるのだろうか。 甘酒のもとのは米麹だ。米麹とは蒸した米に麹菌の胞子を植えつけて繁殖さ せたもの。米のたんぱく質が分解されてできたアミノ酸やペプチドのほかにも、 カルシウムやマグネシウム、亜鉛などのミネラル成分やビタミンB群が豊富に 含まれている。これらの栄養成分がすべて溶けている甘酒は、伝統的な栄養ド リンクといえる。 また、甘酒は発酵の過程で自然界にある乳酸菌が入り込んで乳酸発酵もとも なう。ほのかな酸味のある「日本版ヨーグルト」のようなもので、整腸作用が期 待できる。さらに老化やがん、生活習慣病を予防するといわれる抗酸化物質 「麹酸」も加わり、機能性がぐっと高まる。 この魅力的な飲み物、じつは家庭で簡単に作ることができる。炊飯器でやわ らかめのご飯を2合炊いて、おかゆ状になるまで水を入れて50度程度まで温度 を下げる。そこに雑菌が入らないようによく洗った手で麹300gほどをパラパラ にほぐして入れて軽く混ぜ、保温のまま一晩おくだけだ。 好みの味に仕上がったら、冷やして発酵を止める。最初からおかゆを炊く方 法もある。しかしこれだと麹菌が死なない程度まで冷ますのに時間がかかりす ぎるし、頻繁に確かめないと温度調整が難しいのでおすすめしない。 麹は冬場にはデパートやスーパーで手に入るが、麹の質がよいと甘酒もおい しく仕上がるのでよく売れる店で買っていただきたい。筆者が子どものころは 、麹屋に米を持っていくと同量の麹に替えてくれたものだ。いまでも麹屋が残 っている地域なら、よい麹が手に入るだろう。 甘酒は酒粕を水で薄めて作る方法もあるが、そのさいには「板粕」ではなくペ ースト状の「踏み粕」のほうがコクと香りがあっておいしくなる。手に入りにく いが、いまの時期なら酒屋さんやネット通販に出ることがある。ただし、酒か すで作る甘酒はアルコール分が多いので、運転する場合は飲んではいけない。 甘酒は子どものおやつにもなる甘みドリンクだが、アツアツにしてショウガ を加えれば体の芯から温めてくれる。古くから民間療法に用いられてきた甘酒 を、この冬の風邪対策に利用してはいかが。 |
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