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■骨と肝臓を守るにはミカン――「小さいミカンは おいしい」は本当か ★旬を迎えた温州ミカン。長いこと果物年間購入量のトップを独走してきたが、 2004年にはその座をバナナに明け渡した。ひとり当たりのミカンの消費量も ピーク時(1973年)の4分の1にまで減少しており、ミカンは苦戦している。 しかしここ数年、ミカンの研究が進んで健康効果の大きさが注目されている。 ミカンは、冬の健康管理に適した手軽なビタミンCの供給源だ。かぜ予防だ けでなく、乾燥しがちな冬の肌を守る働きもある。皮膚を作るコラーゲンの形 成を助けるので、女性にはありがたい果物だといえる。3個程度で1日に必要 な栄養所要量を満たせるとあれば、いつも手に取れる場所におきたいものだ。 また、意外にも「活動のビタミン」といわれるビタミンB1も豊富だ。この栄養 はエネルギーを大量に消費するときに多く摂取する必要がある。年末にかけて 忙しくなる仕事をこなす際にはミカンで補っていただきたい。ビタミンB1は水 溶性で調理すると40%も損なわれるが、生で食べるミカンなら効率よく摂取で きる。 ここで、最近のミカンに関する研究発表の一部を紹介しよう。ミカンに豊富 なβ-クリプトキサンチンの摂取量が多いと骨粗しょう症になりにくいそうだ さらにミカンに含まれるβ-クリプトキサンチンやリコペン、α-カロテンの血 清中の濃度が高い人は、同じ飲酒量でもアルコール性肝機能障害の指標である 血中のγ-GTP値が低いという(農研機構果樹研究所の研究)。 ミカンには骨を丈夫にし、飲酒しても肝臓を元気に保つ効能があるそうだ。 予防的に働くことが期待できるので、忘年会シーズンに突入する前からミカン を食べて備えたらいかがだろうか。 では、購入時にはどこを見ればいいのか。ミカンは生産調整でひところより 価格が高くなっているようだ。とくに見栄えのする大きいものは結構な値段が ついている。しかし、大きくても小さくても1個のミカンの果肉に溶けている 糖の量は、ほぼ同じだ。 つまり大きいものは水分量が多く、小さいものはうまさがぎゅっと詰まって いる。ミカンの味を左右するのは糖と酸のバランス。見栄えにとらわれずにお 好みの味のものを探そう。 |
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