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■春色の日向夏で健康増進 いま、淡黄色の美しいかんきつ「日向夏(ひゅうがなつ)」が店頭を彩って いる。九州・宮崎の特産品で、葉がついたままで出荷されるために黄色と緑の コントラストが鮮やかな、一足先に春を届けてくれる果物だ。この日向夏、か んきつ類にしては珍しい食べ方をする。 まず、皮のむき方からしてちょっとおもしろい。黄色い外皮をリンゴのよう に薄くむいていくのだが、包丁を入れると待ってましたとばかりにフワリと香 気が立つ。ユズに似た香りのごちそうで、口に入れる前の期待がいやがうえに も高まる。そして、外皮の中から現れるのは果肉を守るように包み込んでいる フワフワの白皮。日向夏は、厚みのある白皮ごと切り分けて食べる果物だ。 普通、かんきつ類の白皮なら苦味が舌に残りそうなものだが、日向夏は仄か に甘くしっとりとしている。この白皮が絶妙なあわせ技を使うのだ。果肉の酸 味を口の中で和らげて甘みを引き立ててくれる。この爽やかな風味にはファン が多く、東京・新宿駅南口にある宮崎県のアンテナショップ「KONNE」で は、今シーズン初めて店頭に並べた日には5時間弱で20箱が完売したそうだ。 爽快な味わいや気分をリフレッシュしてくれる芳香だけでなく、その健康効 果も見逃せない。粘膜を保護して風邪を予防するビタミンCはが豊富なだけでな く、ミネラルもたっぷりと含まれている。他のかんきつ類に比較して特に多い のは白皮に含まれる食物繊維で、便秘の改善や大腸がんの予防にも力を発揮す る。食味を良くするだけでなく、栄養面でも白皮効果は光っている。 いま、旬を迎えているのはハウス栽培の果実だが、ハウス物が終わりに近づ く3月上旬から5月いっぱいは露地物が出回るので長く楽しめる。南国の味覚 と香りがつまった日向夏で、一味違うフルーツ体験をしてみてはいかが。 参考文献:『日向夏ものがたり』鉱脈社 長友大・山本末之・高妻達郎 [関連ページ] ●新宿みやざき館KONNEのホームページ http://www.konne.jp/ |
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