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■温泉では休憩と水分補給を充分に! 朝晩は冷え込む晩秋となり、山や北国からは雪の便りも聞かれるようになっ た。こうなると、俄然恋しくなるのは温泉ではないだろうか。大きな浴槽で美 しい景色を楽しみながらゆったり、のんびりお湯につかると日頃の疲れも吹き 飛んでいく。しかし入浴法を誤ると、温泉の効用も十分に得られない。今回は 身も心も癒してくれる安全な入浴法を紹介しよう。 まずは、入浴前の準備運動ともいえる「かけ湯」。冷えた足元からだんだん 上にかけていくと血管がゆっくりと開いていくので、血圧の変動をうまくかわ すことができる。体もきれいになったところで静かに湯船に入るが、最初は段 に腰掛けて半身浴、湯の熱さに体が慣れたところで縁に手をついてゆっくりと 肩までつかろう(心臓の悪い人や血圧の高い人は胸のあたりまで)。鼻の頭や おでこが汗ばんだら、洗い場で休憩するか縁に腰掛けて足湯に。41度以上の湯 の場合は、つかる時間を短くしよう。 「汗ばんだら湯船から上がる」を2〜3回繰り返したら、湯疲れする前に切 り上げることが大切だ。上がり湯で仕舞いにしたいところだが、せっかくの薬 用成分が流れてしまうので上がり湯は禁物。それにもまして、温まった体で水 をかぶる「荒行」は血管が急激に収縮して血圧が急上昇するので厳禁だ。 湯冷めしないように体の水滴をふき取って服を着たら、すぐにお茶や水で水 分補給をしよう。40度の湯に10分つかるだけで体内の水分が500cc失われるとい われているので、これは絶対お忘れなく。 ところで、温泉につかるといつまでも体がホカホカして気持ちがよいものだ が、この保温効果は温泉の化学成分と皮脂が結びついてアミノ酸の膜ができる から。温泉では石鹸で体を洗わないほうが効果を実感できるようだ。体がとく に汚れていなければ、かけ湯でよく流すだけにしてはどうだろうか。 日常生活から離れて、きれいな景色に包まれてリラックスできる温泉は、日 本人の昔からある「転地療養」の場だった。より健康になれるよう願いを込め て行く温泉は、安全に楽しみたいものだ。 |
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