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■おいしい米はコシヒカリのみにあらず 本格的に新米が出回る季節となった。ふっくらと炊き上がった新米の艶と香 りは、消費者にも出来秋の喜びを感じさせるものだ。今年は稲刈り前に大型台 風が襲来したが、一部地域を除いては被害も少なく、どの品種も豊作で食味も 良好だという。 しかし、いま、産地と品種にこだわりを持つ人が増えて「魚沼のコシヒカリ」 のような高級ブランド米の人気が高まる一方で、それ以外の品種は人気がいま ひとつといった状況だ。 確かに「コシヒカリ」は独特の粘りと甘みで横綱級の米といえるだろう。そ の人気は作付面積にもはっきりと現れており、全体の37%と突出している。だ が、コシヒカリと交配させて誕生したコシヒカリ一族の品種も味では負けてい ない。たとえば東北での栽培が多い「ひとめぼれ」「あきたこまち」「つがる ロマン」「はえぬき」、九州の「ヒノヒカリ」、北海道の「きらら397」「ほ しのゆめ」、西日本の「キヌヒカリ」などがコシヒカリの子孫だ。 これらのうち「はえぬき(山形産)」と「ヒノヒカリ(熊本産)」は、2003 年産米の日本穀物検定協会の「食味ランキング」でも、コシヒカリと並ぶ特A を獲得している。例年、特A入りしている「あきたこまち」「ひとめぼれ」は Aランクとなった。これは東北地方が冷害に見舞われ作柄が「著しい不良」と なったためで、天候に恵まれた2004年産米では特A復活となる可能性が大きい。 おいしい米はコシヒカリのみにあらず。この秋の新米は、価格も庶民的なほ かの品種も是非、ご自分の舌で試してみては。同じ高級ブランド米でも産地に よって甘さや柔らかさ、粘りは違ってくるものだし、炊飯器の機種や炊き方に よっても少しずつ食感が違ってくるものだ。 特定の産地や品種にこだわらず、お好みの食味や炊き具合になる米を探して みることをおすすめしたい。買うときにはなるべく少量にして、米本来の風味 が損なわれないうちに食べ切ろう。 [関連ページ] ●日本穀物検定協会のホームページ http://www.kokken.or.jp/index2.html |
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