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■紫イモのアントシアニンで健康増進 アントシアニン豊富な野菜として知られる紫イモの収穫はもうすぐ。紫イモ は健康志向を追い風に、7〜8年ほど前から人気が出てきたサツマイモの一種 だ。きれいな色の肉質を生かして、惣菜だけでなく洋菓子、和菓子など守備範 囲も広く、秋のデパートの食品売り場では欠かせない旬の味覚となっている。 外見は平凡なサツマイモだが切ると中はスミレ色、という際立った特徴を持 つ紫イモは栄養的にも非常に優れた野菜だ。紫色素のアントシアニンは強い抗 酸化作用を持つポリフェノールの一種で、老化を遅らせたり肝機能向上などの 効果が期待できる。 また、血圧上昇を抑える力があることもわかってきた。ほかにもヤラピン (切り口から染み出る白い液体)や食物繊維は便秘防止に、カリウムは高血圧 予防に効果がある。体を気遣う人たちに注目されるだけのことはある、すぐれ た健康増進パワーだ。 さて、沖縄や鹿児島、宮崎の伝統野菜として地元の人の食卓にのるだけだっ た紫イモは、個性的な野菜を求める消費者のニーズにマッチしたこともあり、 いまや全国区の農産物となった。 在来種は「種子島紫」のように食味のよいものもあったが、加工用(紅酢や 焼酎、フレークなど)や食用色素として利用される品種が多かった。しかし新 しい品種が開発されて生産量が増え、手に入りやすくなっただけでなく味もぐ っとよくなった。 新品種の「コガネムラサキ」は皮こそ灰白色だが、火を通した身は生の時よ り美しい紫色に変わり甘みが強い。また2年前に出た「パープルスイートロー ド」はいかにもおいしそうな赤紫の皮で、肉質はやや薄い紫色で甘みがありホ クホクとしている。 これらは煮る、焼く、揚げるだけでなく、和洋菓子やアイスクリームにと大 活躍する新顔野菜だ。この秋は、健康によいだけでなく手軽に食卓に彩りを添 えられる紫イモをお試しあれ。 |
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