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■体温を上げて免疫力アップ 体調管理をするうえで、男女ともに自分の基礎体温を知っておくことは大切 だろう。基礎体温とは安静時(睡眠時)の体温で、その状態にもっとも近い 「起き抜けに測った体温」をいう。1日のうちでもっとも低い体温になるが、 健康な成人は36.5℃前後といわれている。 免疫学の研究が進むにつれて、この基礎体温が低いと病気が治りにくく、逆 に体温が高くなると免疫力が高まって運動能力まで向上することがわかってき た。 アテネオリンピックのメダルラッシュはうれしい出来事だったが、2002年の ソルトレークシティー冬季オリンピックでも注目された選手たちがいた。過酷 なレースで知られるノルディックスキー距離競技の選手たちだ。6人は遠赤外 線を使った加温装置で加温して試合に臨み、全員が順位を上げたのだ。 加温するとエネルギー源が長持ちするだけでなく、疲労物質の乳酸の発生が 遅くなるからだという。体温を上げて試合に臨んだことで、選手たちの日々の トレーニングの成果が一層高まったようだ。 また、鹿児島大学病院では心不全の患者全員が遠赤外線サウナを使った温熱 療法を受けて効果を上げている。60度のサウナ室に横になり15分間温まると深 部体温が1℃上昇するという。あとは体を保温しながら横になって30分かけて 体温を下げていき、最後の水分補給で治療は完了だ。水風呂にザブンと入った り、冷たいビールをゴクゴクというのはご法度。 長年かけて研究されたこの温熱療法を継続的に行なうことで、心不全だけで なく副交感神経が優位になって心身の状態が良くなっていくという。体温を上 げると、感染などの障害性ストレスで傷ついた細胞を修復するストレス・タン パクが出る効用も非常に大きい。 最近、体温が低い人が増えているが、規則正しい生活と十分な睡眠時間、適 度な運動、バランスのとれた食事で体温を上げることはできる。また、自分の 基礎体温より5℃高いお風呂に7〜10分つかるお風呂タイムを作り、10日ほど 続けると体温が1℃程度上がるそうだ。 もちろん、これは健康な人におすすめの方法で、体調不良や通院中の人、高 齢の人には勧められない。病気に対する免疫力を高め、病気の治癒を早めるた めにも体温を高める生活の工夫をしてみよう。 |
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