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■キャベツは野菜の優等生 もうすぐ3月。そろそろ春(新)キャベツが出回りだす季節となった。冬の 盛りに出回っていた冬(寒玉)キャベツはしっかりとして厚みがあるので煮込 み料理に向いていたが、春キャベツはみずみずしくて柔らかいのでサラダや漬 物などの生食に最適だ。明治に入ってから本格的な栽培が始まったキャベツは、 今や大根に次いで国内生産量2位を誇る国民的野菜になった。さて、陽射しが 強まる5月頃まで楽しめる春キャベツにはどんな特長があるのだろう。 キャベツは1年中出回っているが、秋にまいた種が育って畑で冬越しした春 キャベツは、他の季節のものに比べて甘みがあり巻きもゆるやかで歯ごたえが 良い。冬物の外葉は寒気で傷むうえに硬いので取ってから店頭に並ぶが、春物 はカロテンが豊富な外葉まで丸ごと食べられるので無駄がない。 キャベツは淡色野菜なので栄養がさほどないように思われているが、じつは 野菜の優等生。葉2枚でビタミンCがレモン2/3個にあたる44mg、ビタミンK (止血作用があり骨を強化する成分)は野菜でトップの含有量(800ug/100g) だ。さらに、ガン予防や血栓予防の効果が高いといわれているイソチオシアネ ートも多い。 だが、もっとも特長的な成分は胃腸薬にも配合されているビタミンUだろう。 胃粘膜の分泌を促して胃壁を保護して、潰瘍部分を修復するだけでなく肝機能 を活発にする力もある。胃が弱い人やお酒好きの人には最適な野菜なので、な るべく毎日取りたいものだ。生がおいしい春キャベツは揚げ物の付け合わせや サラダ、浅漬けに、パリパリとした歯ごたえを生かして強火でさっと炒めるな ど、料理法も多い。味噌汁やスープなら、火を止める間際に入れると色が冴え てほんのりとした甘みが出る。 キャベツはたくさんは食べられないという声が聞こえてきそうだが、上記の 栄養効果を得るには1日に約100g(葉2〜3枚)で十分だ。春先は急に冷え込 んで冬に逆戻りしたような日もあるが、春キャベツは美しい黄緑色の葉で食卓 においしい春を運んでくれる。 |
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