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■DHAの宝庫「魚肉ソーセージ」は進化している! ★水産大手のマルハグループ本社が1ヵ月間、メタボ対策で社員に魚肉ソーセ ージを無料で配布するという。朱色のフィルムを脱がせるとピンク色の中身 が現われた懐かしの魚肉ソーセージだが、進化した現在の製品はDHA(ドコサ ヘキサエン酸)が入ったものなど機能性重視が特長だ。食品があふれている 昨今、食卓に載ることも少なくなった魚肉ソーセージだがちょっと見直して みよう。 魚肉ソーセージを日本水産(現ニッスイ)が本格的に販売したのは1952年(翌 53年には大洋漁業−現マルハが発売開始)。戦後7年を経て食糧事情も安定し てきた頃で、値段の安さで大ヒットした。いまとなっては夢のような話だが、 当時はマグロが大量に獲れたために苦肉の策として生まれた。のちに原料は庶 民の貴重なタンパク源だったクジラ、サケ、イワシやサンマなどに変わり、現 在はスケトウダラなどの白身魚になっている。 さて、魚肉ソーセージは「フィッシュソーセージ」という名前で水産各社から 発売されている。畜肉ソーセージと比較するとエネルギーは約半分、タンパク 質はほぼ同量だが脂質は1/3以下というヘルシー食品だ。 さらに、各社の商品ごとに特長がある。DHAやカルシウムを加えて「栄養機能 食品」にしているものは、生活習慣病や骨粗しょう症が気になる中高年から育 ち盛りの子どもまでお勧めしたい手軽な食べ物だ。アレルギーの子どもに配慮 したつなぎに卵を使わない製品も出ているので、自分の健康状態や体質に合っ たものを選ぼう。 魚肉ソーセージがあっという間に全国に普及したのは、日本水産の戸畑工場 が加熱すると不透明になる「ライファン(塩酸ゴム)」という包装材料を使って大 量生産に道を開いたことに由来する。 その後、「クレハロン(塩化ビニデリン)」に変わり、両端を糸で手しばりして いたものがアルミ環で機械密封できるようになって生産効率が急上昇した。そ していま、あの銀色のアルミ環が消えそうなのだ。呉羽化学工業がアルミ環を 使わず、フィルムと高機能シールに超音波をあててソーセージを密封する新機 材を開発したからだ。 魚肉ソーセージは中身も包材も進化し続けている。「肉の代用品」というイメ ージをもつ人も、スーパーの棚に並ぶものを是非とも手に取って見比べていた だきたい。健康志向の高まった海外でも注目されているヘルシー食品・魚肉ソ ーセージのよさを、産みの国の私たちも見直してみよう。 |
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