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■野菜のアクには2種類―天然毒と抗酸化成分がある ★野菜のエグ味や苦味、渋みが気になることがある。昔から「春は苦味を盛れ」 といわれるように、この季節に出回る山菜類などは苦味やエグ味が強い。こ れはアクといわれる天然由来の体に悪い成分が元になっている。山菜類はア ク抜きしないと風味がよくならないが、葉物野菜や根菜類もアク抜きは必要 なのだろうか。 そもそも、アクとは何だろう? おもな成分とそれが含まれる野菜を書き出 してみよう。 ●エグ味→シュウ酸(ホウレンソウ・春菊) サイカシン(ワラビ・ゼンマイ) クロロゲン酸(ダイコン・カリフラワー・タケノコ) ●苦 味→カテキン・サポニン・クロロゲン酸(フキ・クワイ) ●渋 み→タンニン(ゴボウ・レンコン・ナス・イモ類) こうしてみると、アクの成分にはクロロゲン酸、カテキン、サポニン、タン ニンなどの抗酸化作用があるポリフェノールが含まれていることに気がつく。 アクがすべて体に悪いものとは限らないようだ。逆に、サイカシンには発がん 性があるといわれているし、シュウ酸はカルシウムや鉄分の吸収を悪くしたり 結石を作る原因にもなる。ひと口にアクといっても、天然毒というべき成分と 抗酸化成分は分けて考えたほうがよさそうだ。 体に悪さをするアクが含まれる春の味覚のワラビやゼンマイは重曹を入れた 熱湯で、フキはゆででから水にさらそう。タケノコは収穫後、時間がたつほど エグ味は強くなるので、早めに米ぬかと唐辛子を入れた熱湯でゆでよう。シュ ウ酸を含む葉物野菜は塩を入れたたっぷりのお湯でゆでて、すばやく水にさら すこと。 抗酸化作用のある成分を含む野菜はしっかりアク抜きするというよりは、食 べやすくしたり料理の仕上がりを美しくするためにアクを抜くと考えるのが適 当だろう。ゴボウはほかの食材に褐色の色が付くのを防ぐ程度に、など料理法 や好みで柔軟に考えよう。 |
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