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■多くの食品に含まれるトランス脂肪酸に 注意しよう! ★いま、健康を気遣う人たちの関心を集めているトランス脂肪酸。これは、欧 米で規制が行なわれたという報道でにわかに注目されてきた不飽和脂肪酸だ。 一体どんなものなのだろうか。 トランス脂肪酸はマーガリンや菓子のサクサクとした食感を出すショートニ ングなどの加工油脂に含まれている。また、油を250度以上の高温で加熱する ことでも生成される。多量に摂取すると悪玉コレステロールを増加させ、動脈 硬化などの心臓疾患のリスクを高めるといわれている。 世界保健機機関(WHO)と国連食糧農業機関(WAO)は合同専門家会合の報告書 で、トランス脂肪酸の摂取量は1日あたりの総エネルギー摂取量の1%未満に するよう勧告している。現在、米国とカナダでは加工食品のトランス脂肪酸の 表示を義務付けているし、デンマークでは国内のすべての食品に油脂中のトラ ンス脂肪酸の含有量を2%までに制限している。 トランス脂肪酸の1人1日あたりの摂取量は日本(平均)は1.56gだが、米国 (成人平均)は5.8gとなっている。摂取エネルギーに占める割合も日本は0.7% なのに対して米国は2.6%と非常に多くなっており、米国がこの問題に敏感に なるのもうなずける。 しかし日本では、上記のようにトランス脂肪酸の摂取量が米国に比較して少 ないうえに血清コレステロール濃度を下げるリノール酸(べにばな油やコーン 油)の摂取割合が高いので、いまの段階では深刻な害はないという専門家の指 摘もある。 そうはいっても、国民生活センターの『たしかな目』2007年3月号の「中食 のフライ」の商品テストでは11商品中8商品と、手作りしたフライからもトラ ンス脂肪酸が検出されている。 トランス脂肪酸を含んだ食品は多く、これを摂らない生活は不可能だ。しか し日常的に日本型食生活を心がけ、肉や魚、野菜、果物などをバランスよく摂 ることでトランス脂肪酸の摂取量は減らせる。この分野の研究はこれからだ。 日本人の多彩な食生活を反映した摂取量の調査などを進めていただきたいもの である。 |
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