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■青葉の頃の「勝つ魚」(カツオ)で血液サラサラ ★カツオに含まれる不飽和脂肪酸(EPAやDHA)が血液をサラサラにして血圧を下 げたり高脂血症を改善するので、生活習慣病予防の強い味方になる。細胞膜 を保護して免疫力を高める働きもある。いよいよ初ガツオの季節! カツオは古くから縁起を担いで「勝つ魚」として好まれていた。初物食いが流 行した江戸時代には、江戸の町人は卯の花が咲く頃の高価な初ガツオを珍重し た。なぜそんなに人気があったのかといえば「旬の走りの初物を食うと75日も長 生きする」という言い伝えがあったからだ。とくにカツオは江戸の初物食いの一 番人気だった。 「長生き説」が俗言とはいえ、カツオは健康づくりに力を発揮する魚であるこ とは確かだ。まずは豊富な不飽和脂肪酸(EPAやDHA)が血液をサラサラにして血 圧を下げたり高脂血症を改善するので、生活習慣病予防の強い味方になる。細 胞膜を保護して免疫力を高める働きもある。 さらにこんな臨床実験の結果が出ている。DHAを6カ月間、アルツハイマー型 老人性認知症の患者に投与すると症状が改善した。また、ストレスを与えた大 学生にDHAを投与するグループと投与しないグループで比較すると、投与された グループはストレスに強く攻撃性が抑えられたという。ストレスフルな現代人 にはDHAがたっぷりと含まれるカツオは欠かせない。 カツオの特徴はというと血合いが多いことだが、その割合は肉の25%もある。 カツオは昼夜を問わず一生泳ぎ続けるために、海中に溶け込んだ酸素を多量に 取り入れなければならない。そのため口をあけて高速で泳ぎ回るカツオには強 靭な筋肉がつく。それが骨に近い部分にある血合いだ。血合いにはビタミンA、 B1、B2、B12、Dや鉄分が多く含まれる、まさに「魚のレバー」。栄養の塊なの で残さず食べきろう。 さて、江戸時代には4月初旬なら500文で買えたカツオも、3月25日頃には 3両もしたという。走りの時期の初ガツオがいかに珍重されたかがおわかりい ただけるだろう。見栄で買う風潮もあったので高騰したという面もあるだろう が、やはり旬のものは美味で栄養豊富だと感じていたからだろう。 いまでもそれは変わらない。さあ、青葉の時季にはカツオをたっぷり召し上 がれ。 |
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