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■ファイトケミカルいっぱいの野菜や果物は「用心食」 最近、「ファイトケミカル」という言葉を耳にするようになった。これは青 果や豆類に含まれる色、香り、苦み、渋みなどの物質をさす。「ファイト」と はギリシャ語で「植物」という意味で、ファイトケミカルは「植物化学物質」 と訳されている。この物質は免疫機能を調整して、がんや生活習慣病を防ぐ働 きを持つので「第7の栄養素」といわれる。 じつはこのファイトケミカル、植物が強い紫外線や害虫から自分の身を守る ために作り出した抗酸化物質だ。そのうえ、人間の体のなかに入ってからも同 様に抗酸化力を発揮して、活性酸素から細胞を守る作用をしてくれるのだ。 では、1万種類もあるファイトケミカルの代表的なものを紹介しよう。 ●赤トウガラシのカプサイシンやトマトのリコピン 赤色青果に多く、がん予防や動脈硬化予防などの働きがある。 ●ニンジンやカボチャのβ−カロテン 橙色の青果に多く、肝機能疾患の改善や免疫力強化などの作用がある。 ●ナスや赤シソ、黒豆や小豆のアントシアニン 紫色の青果や豆に多く、視覚機能改善や肝機能向上などの働きがある。 ●タマネギや食用菊、リンゴ(皮つき)のフラボノイド 黄色の青果に特に多く、心臓病予防や糖尿病予防などの働きがある。 ●ホウレンソウやブロッコリーのクロロフィル 緑色の野菜に多く含まれ、抗菌や消臭などの作用がある。 ●茶の渋みのカテキン がん予防や老化予防、血圧上昇抑制などの作用がある。 こうしてみると、青果や豆類は将来にわたって健康で長生きするための「用 心食」といえそうだ。近頃、生活習慣病を予防して健康で生活するために1日 に野菜350g・果物200g(可食部150g)の摂取が推奨されている。毎日この量を 食べるのはやや難しいかもしれないが、せめて働きの違うファイトケミカルを 多種類摂れるように、5色の野菜や苦み、渋みのある野菜をうまく組み合わせ るように心がけたいものだ。 |
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