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■硬いものを食べて健康余命を延ばそう ★最近はフワフワ、モチモチなど軟らかい食感の商品が増えて、消費者に受け ているようだ。確かに軟らかい触感のものはおいしく感じられる。しかし硬い ものを食べると、そしゃく力がついて健康で長生きできるという報告がある。 かむ能力と健康にはどんな関係があるのだろうか。 中年期になると一般的にあごがたるむ、口角が下がるなど加齢のサインが出 始める。あごの筋力の衰えなどが原因だが、同時にかむ力も弱くなっているの だ。そのままで年を重ねると、そしゃく能力がどんどん弱っていく。その結 果、柔らかいものばかり食べるようになって栄養が偏ってしまう。老いも若き も、健康作りの基本は「何でも食べられること」だ。 ここで、日本大学松戸歯学部が行った全国の65歳以上85歳以下の高齢者への 聞き取り調査(1999年〜2003年)の結果を紹介しよう。65歳になってもたくあん やさきいかなどの硬いものを食べられるそしゃく能力の高い人の健康余命は18 年。しかし、そしゃく能力の弱い人は15.2年だった。健康余命とは、介護を受 けずに生きることができる期間をいう。 では、そしゃく能力が衰え始めたらどんな変化が現れるのか? 硬いものが かめなくなるのは当然だが、突然むせたり、口が渇くようになる。このなかで 1つでも当てはまれば要注意。むせるのはのみ込む力が低下したからで、高齢 者では肺炎の原因になることもあるので放置できない。口が渇くのは唾液の分 泌量が減っているからだ。唾液は消化や抗菌、歯と粘膜を保護する大切なもの だ。やはり、そしゃく能力は維持しなければならない。 では、どうすればいいのか。小魚や乾物など硬いものを少しずつ食事に取り 入れ、一口ずつしっかりかんで食べること。いつも食べているものばかりでは なく、あまり食べなくなったものを食事に取り入れると硬いものも食卓に並ぶ ようになる。かめば唾液がたくさん分泌される。その結果、食べ物がのみ込み やすくなってむせる回数も減るだろう。 意識的に硬いものを食べてそしゃく能力を維持し、健康余命を延ばすように 努めていただきたい。そしゃく能力が高ければ、脳の血流が促されるので脳が 活性化するし、顔が老けるのを遅くさせるという余録もつく。高齢になったと きの生活の質は確実に高まるはずだ。 |
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