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■冬は温かいお茶で健康成分を摂取しよう ★家庭でよく飲まれるお茶には緑茶(日本茶)、紅茶、中国茶がある。種類は 違っても、これらはすべて同じお茶の葉から作られている。生産工程での発酵 の方法や程度の違いだけで風味や色が大きく違ってくるお茶。お茶にはどんな 働きがあるのだろうか。 3種類のお茶の原料は学名カメリア・シネンシスというツバキ科の常緑樹の 葉だ。この葉の特徴は酸化酵素を含んでいること。摘み取った直後から発酵を 始めるが、この酵素の働きをコントロールすることで緑茶、紅茶、中国茶にな る。栄養成分はどれもカルシウム、カリウム、鉄、カロテンを豊富に含んでい る。では、それぞれのお茶の特徴や健康効果を説明しよう。 ●緑茶:摘み取った茶葉を素早く蒸気加熱して発酵を止めた「不発酵茶」。そ のため生の葉の緑色が残り、旨みや渋みが味わえる。ほかの茶と違うのは、ビ タミンCとカテキンを含むこと。カテキンはコレステロール値や血糖値を抑制 する、病原性大腸菌O-157に対する抗菌作用を持つなどの働きがある。栄養成 分を丸ごととりたければ抹茶がおすすめ。 ●紅茶:茶葉を十分に発酵させた「完全発酵茶」。一番先端の新芽と二葉、三 葉を摘んで網の上に広げてしおれさせる。この段階から葉の発酵が始まる。次 に機械で茶葉の組織細胞を揉みつぶし、茶葉を寝かせて褐色に変化するまで発 酵させる。最後に100℃ほどの熱風で乾燥させて完成。ほかのお茶と比べると、 カフェインとタンニンが多い。カフェインは中枢神経を刺激して脳の働きを活 性化し、体脂肪の燃焼を促進する。紅茶の赤い色のもとはタンニンの一種のテ アフラビンで、強力な抗酸化作用がある。 ●中国茶:発酵を途中で止めた「半発酵茶」。中国茶の種類は1000を越すとい われるほど多彩だが、一般的には茶の発酵方法によって6種類に大別される。 成分は種類によって異なるが、日本で最もよく飲まれる烏龍茶には烏龍茶ポリ フェノールという特有の成分が含まれる。これは血中の中性脂肪やコレステ ロールを減少させる、食べ物の脂肪分を吸着して排泄する、皮膚の皮脂量調整 と保水能力向上など多彩な働きをする。 それぞれのお茶の特徴を知って、食事の内容などで飲むお茶を選んではいか がだろうか。寒い冬には温かいお茶は欠かせないが、濃いお茶は胃に負担を掛 ける。特に空腹時には注意が必要だ。健康維持には一度にたくさん飲むのでは なく、1日に何回にも分けて飲み続けよう。 |
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